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2012年03月23日

「サトウの切り餅」特許権侵害事件

 平成24年3月22日、知財高裁において、佐藤食品工業蝓幣緇賁召蓮▲汽肇食品工業)に対し、約8億円の損害賠償等を命ずる判決が出された。

 本件については、既に平成23年9月7日、知財高裁において概ね下記のような中間判決が下されていたものである。

「被控訴人が製造,販売する別紙物件目録1ないし5記載の各食品は,控訴人が有する別紙特許目録記載の特許の特許請求の範囲の請求項1記載の発明の技術的範囲に属する。同特許は特許無効審判により無効にされるべきものとは認められない。」

「【請求項4】 焼き網に載置して焼き上げて食する輪郭形状が方形の小片餅体である切餅の載置底面又は平坦上面ではなくこの小片餅体の上側表面部の立直側面である側周表面に,この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に長さを有する一若しくは複数の切り込み部又は溝部を設け,この切り込み部又は溝部は,この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に一周連続させて角環状とした若しくは前記立直側面である側周表面の対向二側面に形成した切り込み部又は溝部として,焼き上げるに際して前記切り込み部又は溝部の上側が下側に対して持ち上がり,最中やサンドウイッチのように上下の焼板状部の間に膨化した中身がサンドされている状態に膨化変形することで膨化による外部への噴き出しを抑制するように構成したことを特徴とする餅。」
 「被告は,切餅の載置底面又は平坦上面に切り込み部が設けられた構成のものは,構成要件Dの「焼板状部」に該当する構成を有しないから,被告製品は構成要件Dを充足しない,と主張する。しかし,上記(1)のとおり,本件発明は,載置底面又は平坦上面に切り込み部等を設ける構成を除外するものであるとは解されない。また,切餅の載置底面又は平坦上面に切り込み部が設けられていると,焼き上げられるに際して,上記切り込み部において若干の膨化変形が生じるとしても,構成要件Dの「焼板状部」に当たると解するのが合理的である。したがって,被告の上記主張は採用することができない。」
 「以上によれば,被告製品(別紙物件目録1ないし5)は本件発明の構成要件をすべて充足し,本件発明の技術的範囲に属するものであり,本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものとは認められない。」

 被控訴人の製品において、切餅の載置底面又は平坦上面に切り込み部が設けられたとしても、およそ新たな要件を付加したに過ぎないと思われるため、構成要件該当性は認められるとした妥当ではないだろうか。

2012年02月21日

「チュッパチャプス」商標事件

平成24年2月14日知財高裁 「チュッパチャプス」事件

 ネット通販のためのウェブ運営者が商標権侵害の責任を負う可能性があることを判示した裁判例であり、今後、ウェブ・ビジネスにおいて注意しておくべきである。

 「ウェブページの運営者が,単に出店者によるウェブページの開設のための環境等を整備するにとどまらず,運営システムの提供・出店者からの出店申込みの許否・出店者へのサービスの一時停止や出店停止等の管理・支配を行い,出店者からの基本出店料やシステム利用料の受領等の利益を受けている者であって,その者が出店者による商標権侵害があることを知ったとき又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至ったときは,その後の合理的期間内に侵害内容のウェブページからの削除がなされない限り,上記期間経過後から商標権者はウェブページの運営者に対し,商標権侵害を理由に,出店者に対するのと同様の差止請求と損害賠償請求をすることができると解するのが相当である」

 「もっとも商標法は,その第37条で侵害とみなす行為を法定しているが,商標権は「指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する」権利であり(同法25条),商標権者は「自己の商標権・・・を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができる」(同法36条1項)のであるから,侵害者が商標法2条3項に規定する「使用」をしている場合に限らず,社会的・経済的な観点から行為の主体を検討することも可能というべきであり,商標法が,間接侵害に関する上記明文規定(同法37条)を置いているからといって,商標権侵害となるのは上記明文規定に該当する場合に限られるとまで解する必要はないというべきである」

 「本件の事実関係の下では,一審被告による「楽天市場」の運営が一審原告の本件商標権を違法に侵害したとまでいうことはできないということになる」

2011年12月07日

特許の訂正請求を理由とする対抗主張

平成23年11月30日東京地裁(民事第40部)特許権侵害差止等請求事件

「訂正を理由とする対抗主張について
 原告は,平成23年9月22日付け原告第6準備書面をもって,本件訂正発明には無効理由がなく,かつ,被告製品は本件訂正発明の技術的範囲に属すると主張し,これに対し,被告は,原告の上記主張は,時機に後れた攻撃防御方法であるから却下されるべきであると主張する。
 そこで検討するに,原告の上記対抗主張は,前記平成23年7月12日付け被告準備書面(4)をもってなされた無効理由2〜4に対するものであるところ,受命裁判官は第5回弁論準備手続期日(同年8月5日)において,原告に対し,上記無効理由についても審理するので,これに対する反論があれば次回までに提出するよう促し,反論の機会を与えたにもかかわらず,原告は,第6回弁論準備手続期日(同年9月9日)までに上記対抗主張をすることなく,同期日で弁論準備手続を終結することについても何ら異議を述べなかったものである。
 無効理由2及び3は,いずれも既出の証拠(乙2及び乙3)を主引用例とする無効主張であり,無効理由4も,平成14年5月20日付け特許異議申立てにおいて既に刊行物として引用されていた乙6に基づくものであるから,原告は,上記無効理由の主張があった第4回弁論準備手続期日から弁論準備手続を終結した第6回弁論準備手続期日までの間に対抗主張を提出することが可能であったと認められる(原告は,乙6に基づく無効理由4を回避するために訂正請求を行うことができるのは第2次無効審判請求の無効審判請求書副本の送達日である平成23年8月19日から答弁書提出期限である同年10月18日までの期間のみであると主張するが,本件訴訟において対抗主張を提出することはできたものというべきである。原告は,対抗主張が認められる要件として現に訂正審判の請求あるいは訂正請求を行ったことが必要とする見解が多数であるとも主張するが,訂正審判請求前又は訂正請求前であっても,訴訟において対抗主張の提出自体が許されないわけではなく,理由がない。)にもかかわらず,これを提出せず,弁論準備手続の終結後,最終の口頭弁論期日になって上記対抗主張に及ぶことは,少なくとも重大な過失により時機に後れて提出したものというほかなく,また,これにより訴訟の完結を遅延させるものであることも明らかである。
 よって,原告の上記対抗主張は,民事訴訟法157条1項によりこれを却下する。」

 侵害訴訟は弁護士が主に担当し、無効審判請求は弁理士が行いながら、依頼会社を含めた三者のスケジュールを調整しながら意見調整し、訴訟追行の準備を行っている実情に鑑みるならば、あまりにも時間的余裕がないという印象を拭いきれず、もう少し実体的真実に即する訴訟追行がなされてもよいのではないかと感ずる。

2011年11月14日

リーガルサービスに関する商標の寄与度

平成23年10月28日東京地裁判決
「ひかり司法書士法人」vs「司法書士法人ひかり法務事務所」商標侵害事件

「本件役務の内容は,過払金返還請求や債務整理を求める需要者に対し,法律専門家としての立場からの専門性の高いサービスを提供するというものであるから,需要者が本件役務の依頼をする司法書士等を選択,決定するに当たって重視することは,当該司法書士等の専門的能力の高さ,人柄,提供されるサービスの質,報酬の額,過去の業績などであると考えられるのであって,当該司法書士等がその業務において使用する商標のいかんに着目して依頼先の選択,決定がされることは,通常考え難いことといえる。」
「被告らは,本件役務に関し,多額の広告宣伝費を支出して,多数の雑誌広告,電車広告,新聞折込広告,インターネット広告等を継続的に行っているところ,被告らが支出した広告宣伝費と本件役務における営業収入の関係をみると,広告宣伝費が高額になればなるほど,その額に見合う形で多額の営業収入が現に得られている事実が認められることからすれば,被告らによる広告宣伝がその売上げの獲得及び拡大に大きく貢献していることは明らかといえる。」
「被告B1が前記ア(ア)の利益を受けるに当たっての被告標章4の寄与及び被告法人が前記ア(イ)の利益を受けるに当たっての被告標章1ないし4の寄与は,極めて限られたものというほかなく,その寄与率は,それぞれについて1パーセントと認めるのが相当である。」

 多額の広告宣伝費をかけているとすると、その寄与度が1パーセントというのは、あまりにも低額に過ぎるのではないかと感じられる。

2011年08月19日

知財高裁とは

知的財産高等裁判所とは

 我が国において、知的財産の活用が進展するに伴い、その保護に関して司法の果たすべき役割がより重要なものとなっているとの現状を踏まえて、知的財産に関する事件についての裁判の一層の充実及び迅速化を図るため、平成17年4月に、これを専門的に取り扱う裁判所として設置されたのが知財高裁です。

1. 知的財産高等裁判所が扱う事件には、行政事件の第一審としての審決取消訴訟と、民事事件の控訴審などがあります。

(1) 審決取消訴訟
 特許庁が行った審決に対する不服申立てとしての審決取消訴訟は、東京高等裁判所の専属管轄であり(特許法178条1項等)、その特別の支部である知的財産高等裁判所において取り扱われます(知的財産高等裁判所設置法2条2号)。

(2) 民事控訴事件
 民事事件の控訴審のうち、特許権、実用新案権、半導体集積回路の回路配置利用権及びプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴えの控訴事件は、東京高等裁判所の専属管轄に属し(民事訴訟法6条3項)、知的財産高等裁判所において取り扱われます(知的財産高等裁判所設置法2条1号)。
 そのため、これらの技術系事件については、全国の事件が知的財産高等裁判所に集中されていることになります。

 次に、民事控訴事件のうち、非技術系である意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権、育成者権、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴えの控訴事件については、第一審を取り扱った各地方裁判所に対応して、全国8か所にある高等裁判所が管轄を有していますので、そのうち、東京高等裁判所の管轄に属する事件は知的財産高等裁判所が取り扱うことになります(知的財産高等裁判所設置法2条1号)。

(3) その他の事件
  (1),(2)以外に知的財産高等裁判所が扱う事件としては、東京高等裁判所の管轄に属する民事事件及び行政事件のうち、主要な争点の審理につき知的財産権に関する専門的な知見を要する事件(知的財産高等裁判所設置法2条3号)があります。

 つまり、大阪地裁において、大阪の企業同士が特許権侵害で争っていた場合においても、敗訴した側が控訴した場合には、知財高裁が控訴審となりますので、東京での控訴審が行われるということになり、当事者双方が東京出張せざるを得ないということになります。

 裁判の迅速性、専門性、集中化を図る点において合理性を有していると言えますが、訴訟にかかる費用負担という点で一定の配慮が必要なところと言えます。

http://www.ip.courts.go.jp/aboutus/jurisdiction.html

2011年05月14日

特許法及び不競法の法律改正案

 特許法及び不正競争防止法に関し、平成23年3月11日閣議決定がなされ、4月1日に国会に法律改正案が提出されています。

特許法等の一部を改正する法律案

 我が国の経済成長を支える新たな技術や産業の創出を促進するため、通常実施権の登録対抗制度の見直し、中小企業に係る特許料金の減免制度の拡充、冒認出願等に関する救済措置の整備、無効審判等の紛争処理制度の見直し等、知的財産の適切な保護及び活用を図るための措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


不正競争防止法の一部を改正する法律案

 近年の技術革新の著しい進展や我が国産業の国際競争力の強化を図る必要性の増大等に鑑み、技術的制限手段の保護及び事業者が保有する営業秘密の保護を一層強化するため、技術的制限手段の保護の対象範囲を拡大し、技術的制限手段の効果を妨げる装置の譲渡等に係る処罰規定を整備するとともに、営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟の審理において、営業秘密の保護を図るための措置を講ずる等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

内閣法制局ホームページより
http://www.clb.go.jp/contents/diet_177/law_177.html

特許法及び不競法の法律改正案

 特許法及び不正競争防止法に関し、平成23年3月11日閣議決定がなされ、4月1日に国会に法律改正案が提出されています。

特許法等の一部を改正する法律案

 我が国の経済成長を支える新たな技術や産業の創出を促進するため、通常実施権の登録対抗制度の見直し、中小企業に係る特許料金の減免制度の拡充、冒認出願等に関する救済措置の整備、無効審判等の紛争処理制度の見直し等、知的財産の適切な保護及び活用を図るための措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


不正競争防止法の一部を改正する法律案

 近年の技術革新の著しい進展や我が国産業の国際競争力の強化を図る必要性の増大等に鑑み、技術的制限手段の保護及び事業者が保有する営業秘密の保護を一層強化するため、技術的制限手段の保護の対象範囲を拡大し、技術的制限手段の効果を妨げる装置の譲渡等に係る処罰規定を整備するとともに、営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟の審理において、営業秘密の保護を図るための措置を講ずる等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

内閣法制局ホームページより
http://www.clb.go.jp/contents/diet_177/law_177.html

2010年01月19日

日本版フェアユースの検討

 2010年1月19日の日経新聞の報道よると、「文化庁は、権利者の利益を不当に害しない公正利用なら自由に著作物を使える『日本版フェアユース』の方向性を固め」「写真の端に絵画が写ってしまう場合など、意図しない付随的利用などに範囲を限定する。ITベンチャー企業によるテレビ番組の転送サービスなどは適用対象から外れる見通し」であり、早ければ2011年の著作権法改正を目指すという。
 米国のフェアユース規定は、著作物の利用が認められる場合を限定列挙するものではなく、幅広くかつ柔軟に対応し得るものであるが、今回の著作権改正により、どれだけの範囲、ケースをカバーし得るものになるのかどうか、著作権者の権利保護が蔑ろにされてはならないことは言うまでもないが、一般市民の表現の自由の保障という観点から考えて、フェアユース規定がごく限られた場合に限定されるされることがないよう可能な限り自由な利用を認めるというIT社会における新しい発想が必要であろう。

2007年11月12日

キャノン・インクタンク事件(消尽論)

平成19年11月8日最高裁判決

「‥該特許製品が製品としての本来の耐用期間を経過してその効用を終えた後に再使用又は再生利用がされた場合(第1類型),又は,当該特許製品につき第三者により特許製品中の特許発明の本質的部分を構成する部材の全部又は一部につき加工又は交換がされた場合(第2類型)には,特許権は消尽せず,特許権者は,当該特許製品について権利行使をすることが許されるものと解するのが相当である。」「また,我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において特許製品を譲渡した場合,特許権者は,譲受人に対しては,当該特許製品について販売先ないし使用地域から我が国を除外する旨の合意をしたときを除き,譲受人から当該特許製品を譲り受けた第三者及びその後の転得者に対しては,譲受人との間でその旨の合意をした上で当該特許製品にこれを明確に表示したときを除き,当該特許製品を我が国に輸入し,国内で使用,譲渡等する行為に対して特許権に基づく権利行使をすることはできないというべきである(前掲最高裁平成9年7月1日第三小法廷判決)。しかしながら,‥該特許製品が製品としての本来の耐用期間を経過してその効用を終えた後に再使用又は再生利用がされた場合(第1類型),又は,当該特許製品につき第三者により特許製品中の特許発明の本質的部分を構成する部材の全部又は一部につき加工又は交換がされた場合(第2類型)には,特許権者は,当該特許製品について権利行使をすることが許されるものと解するのが相当である。」
「特許権の消尽により特許権の行使が制限される対象となるのは,飽くまで特許権者等が我が国において譲渡した特許製品そのものに限られるものであるから,特許権者等が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,特許権を行使することが許されるというべきである。そして,上記にいう特許製品の新たな製造に当たるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断するのが相当であり,当該特許製品の属性としては,製品の機能,構造及び材質,用途,耐用期間,使用態様が,加工及び部材の交換の態様としては,加工等がされた際の当該特許製品の状態,加工の内容及び程度,交換された部材の耐用期間,当該部材の特許製品中における技術的機能及び経済的価値が考慮の対象となるというべきである。」
「我が国の特許権者等が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,我が国において特許権を行使することが許されるというべきである。そして,上記にいう特許製品の新たな製造に当たるかどうかについては,特許権者等が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合と同一の基準に従って判断するのが相当である。」
「したがって,特許権者等が我が国において譲渡し,又は我が国の特許権者等が国外において譲渡した特許製品である被上告人製品の使用済みインクタンク本体を利用して製品化された上告人製品については,本件特許権の行使が制限される対象となるものではないから,本件特許権の特許権者である被上告人は,本件特許権に基づいてその輸入,販売等の差止め及び廃棄を求めることができるというべきである。」

(最高裁HP)

2007年10月04日

「ダニ捕りマット」テレビショッピング事件

不正競争防止法違反が否定されたものの、不法行為の成立が認められた事件

「ダニ捕りマット」という表示が他社製品のテレビショッピングにおいて用いられた事案につき、「商品等表示」には該当せず、また、原告商品の信用が毀損されたとも言えないとして不正競争防止法違反に基づく請求が否定されたものの、仝狭霈ι覆砲六Ε瀬妨果があるのに、被告商品にはないこと、⊂ι覆亡悗垢詭笋す腓錣擦紡个靴童狭霈ι覆犯鏐霈ι覆寮渋じ気同一であると回答するような体制を被告が放置していたこと、H鏐陲枠鏐霹崛箸砲いて、従前原告商品を扱っていたこと、い笋爐鯑世覆ぬ未あるとはいえ、原告商品と被告商品を扱った番組構成が類似していること、と鏐霈ι覆旅愼者に平成16年6月頃送付された明細票兼領収書の商品欄に、原告商品名の一部である「ダニ捕りマット」が商品名として記載されたいた等の事実認定を行い、不法行為に基づく損害賠償100万円及び弁護指標10万円の請求を認めたものである。

(判例時報1974号203頁)

三味線バチ「一枚甲」商標事件

三味線バチ「一枚甲」商標事件

三味線のバチのうち、べっ甲を2枚合わせたものではなく、一枚の厚いべっ甲を割いて作ったものを表す「一枚甲」の商標権侵害の有無が争われた事件につき、東京地裁は、「被告標章を構成している『一枚甲』との用語は、少なくとも被告標章が使用された始めた平成5年当時とそれ以降においては、三味線のバチに先付けするべっ甲の種類を表示するだけでなく、三味線のバチそのものの品質及びその原材料を表示する用語として使用されていた名称(標章)であると認めることができる。」「三味線のバチの品質ないし原材料を意味する用語として、価格表や広告などに『一枚甲』との用語が使用され始めたのが、原告による本件各商標権の登録出願時以降である昭和50年代半ばであるとしても、前記認定のとおり、遅くとも平成5年ころ以降には、『一枚甲』との用語は、三味線のバチの品質ないし原材料を意味する用語として使用されていたものと認められる以上、被告による被告標章の使用には本件各商標権の効力は及ばないというべきである。」と判事した。

(判例時報1974号171頁)

2007年08月02日

特許発明に係る装置の点検、修理及び部品交換

台車固定装置の点検、修理及び部品交換を行うことが本件特許権を侵害するかどうかについて争われた事件につき、大阪地裁は、「『使用』とは、発明の目的を達するような方法で当該発明に係る物を用いることをいうものと解するべきである」「本件特許発明の目的は、『例えば立体駐車場装置において自動車を載置させる台車をリフター中央および定位置で固定する台車固定装置に関するもの」であって、「台車を正確、かつ、確実に停止固定して台車の停止精度を向上することを目的とする」ものであることは認められる。この目的は、自動車等を載置した台車をリフター中央及び定位置に移動させて、台車固定装置を作動させて固定するという方法で達することができるものであって、単に、台車固定装置の点検、修理及び部品の交換をしただけでは、この目的を達することはできない。したがって、単に台車固定装置の点検、修理及び部品の交換をするたけの行為は、発明の目的を達するような方法で物を用いることには当たらないので、本件台車固定装置の『使用』に該当しない」と判示した。

(判例時報1968号164頁)

2007年06月25日

特許ライセンス契約における最恵待遇条項

平成18年12月25日東京地裁判決

液晶パネル等の特許ライセンス契約における最恵待遇条項に関する合意の有無が争われた事件につき、裁判所は、「最恵待遇条項は、本件契約の根幹である実施料の支払方法につき変更をもたらすものであり、当事者双方に対して重大な影響を及ぼすものであるから、本件契約に最恵待遇条項を設けることは被告にとり重要なことであり、その内容について原告と被告との間で合意が成立していたのであれば、その合意内容が本件契約書に記載されていたはずであるが、本件契約書には、そのような条項は設けられていない。また、本件契約書には完全合意条項が設けられているから、仮に、本件契約締結前に、AとBとの間で最恵待遇条項の合意が成立していたとしても、原告と被告との間に、本件契約書に明記されていない最恵待遇条項を含む契約が成立したとは認め難い」として、本件契約締結の際に、最恵待遇条項の合意が成立したとはできないと判示した。

(判例時報1964号106頁)

2007年06月18日

信用回復措置等の請求が認められた事例

平成19年6月11日大阪地裁判決

 本件は、被告のした広告が、被告と競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実の告知に当たるとして、原告が、不正競争防止法2条1項14号、4条、14条に基づき、損害賠償と信用回復措置を求める訴訟であるが、裁判所は、「原告製品のリアリーフは、被告製品のリアリーフと形態において同一ないし類似するとはいえないから、被告製品のリアリーフを模倣したものということはできない。そうである以上、原告製品のリアリーフは、被告製品のリアリーフの模倣(真似)であるとする本件広告は、虚偽の事実を告知するものというべきである」「ジムニーの交換部品市場の状況からすれば、本件においては、損害の賠償とともに、原告の営業上の信用を回復するのに必要な措置として、本件広告が掲載された雑誌(「ジムニースーパースージー」及び「ジムニープラス」)に、別紙謝罪広告目録のとおりの広告を掲載させることが相当である」と判示し、信用回復措置等の請求を認めたものである。

(最高裁HP)

2007年06月04日

判断の遺脱を理由に審決を取り消した事例

平成19年5月30日知財高裁(審決取消請求事件)

「審決は、本願発明の「直流電流成分除去部」が直流電流成分を除去するとの構成、及び「増幅部」が電流電圧変換するとの構成について、引用発明と対比しておらず、本願発明が上記の点において引用発明と相違するか否かについて判断を遺脱したものであって、この点が審決の結論に影響することは明らかであるから、審決の認定判断には違法がある。」「引用発明との対比を誤った瑕疵があるので、この点に関しては、むしろ、審決において、改めて、出願人である原告に対して、本願発明の容易想到性の存否に関する主張、立証をする機会を付与した上で、再度の判断をするのが相当であるといえる。」などとして「本件審決の請求は、成り立たない」とした審決を取り消したものである。

(最高裁HP)

2007年05月22日

「ELLE」商標侵害事件

平成19年5月16日東京地裁判決

 本件は、「ELLE」等の商標につき商標権を有するとともに、「ELLE」等の商標を周知又は著名商標として使用する原告が、「ELLEGARDEN 」との被告標章を付した被告商品を販売する被告に対し、‐綉商標権、不正競争防止法3条及び2条1項1号又はF泳。馨魑擇咤仮鬘厩爍温罎亡陲鼎(ただし、被告標章(10)については、不正競争防止法3条及び2条1項1号又は2号のみに基づく。)、“鏐霈ι覆悗糧鏐霽絃呂了藩囘の差止め、並びに被告商品からの被告標章の抹消及びH鏐陬ΕД屮汽ぅ箸らの被告標章を付した被告商品の広告表示の削除を求めた事案であるが、裁判所は、「被告標章は、それぞれ具体的なデザインに相違はあるものの、いずれも「ELLEGARDEN 」の10文字の欧文字から成る。このうち、「ELLE 」の部分は、上記のとおり我が国において著名な商標である本件ELLE 商標と同じ綴りから成る。また、「GARDEN 」の部分は、我が国における英語教育の水準からすると、それに接した需要者により、「庭、庭園」等の意味を有する普通名詞であると理解されるため、被告標章は、同需要者により、「ELLE 」と「GARDEN 」の2つの単語より成るものとして理解されるものと認められる。」「著名商標は、その著名性故に看者の強い注意を惹き、結合商標の中に著名商標と同じ綴りが含まれる場合、当該著名商標と同じ綴りの部分に看者の注意が向くと考えられるところ、「ELLEGARDEN 」のうち「ELLE 」の部分は、著名な本件ELLE 商標と同じ綴りから成るから、当該部分は極めて強い出所表示機能を有すると認められる。他方、「GARDEN 」の部分は、著名商標と同じ綴りの「ELLE 」部分に比し、出所表示機能が弱いというべきである。したがって、被告標章の要部は、「ELLE 」の部分であると認められる」等と判断し、商標権侵害を認めたものである。

(最高裁HP)