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2011年11月14日

リーガルサービスに関する商標の寄与度

平成23年10月28日東京地裁判決
「ひかり司法書士法人」vs「司法書士法人ひかり法務事務所」商標侵害事件

「本件役務の内容は,過払金返還請求や債務整理を求める需要者に対し,法律専門家としての立場からの専門性の高いサービスを提供するというものであるから,需要者が本件役務の依頼をする司法書士等を選択,決定するに当たって重視することは,当該司法書士等の専門的能力の高さ,人柄,提供されるサービスの質,報酬の額,過去の業績などであると考えられるのであって,当該司法書士等がその業務において使用する商標のいかんに着目して依頼先の選択,決定がされることは,通常考え難いことといえる。」
「被告らは,本件役務に関し,多額の広告宣伝費を支出して,多数の雑誌広告,電車広告,新聞折込広告,インターネット広告等を継続的に行っているところ,被告らが支出した広告宣伝費と本件役務における営業収入の関係をみると,広告宣伝費が高額になればなるほど,その額に見合う形で多額の営業収入が現に得られている事実が認められることからすれば,被告らによる広告宣伝がその売上げの獲得及び拡大に大きく貢献していることは明らかといえる。」
「被告B1が前記ア(ア)の利益を受けるに当たっての被告標章4の寄与及び被告法人が前記ア(イ)の利益を受けるに当たっての被告標章1ないし4の寄与は,極めて限られたものというほかなく,その寄与率は,それぞれについて1パーセントと認めるのが相当である。」

 多額の広告宣伝費をかけているとすると、その寄与度が1パーセントというのは、あまりにも低額に過ぎるのではないかと感じられる。