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2007年10月02日

販売継続を行った取締役の責任

無認可添加物を含んだ大肉まんを販売したことに関する取締役の責任が肯定された事例

「大肉まん」の原材料に無認可添加物が含まれているのを知っていながら、その販売を継続した事案につき、大阪高裁は、「大肉まんに、平成12年当時の食品衛生法6条に違反し日本では使用が許されていない添加物であるTBHQが混入していることを認識しながら、その販売を継続すること(本件販売継続)を決定し、実行に移させたものであり、これが当時の同条に違反する行為であることは明らかである。」「実際控訴人らがとった行動は、上記のとおり事実の隠蔽であり、役員協議会に報告することも、危機管理体制の発動を促すこともなく、ダスキンの信用失墜の防止と消費者の信頼回復のための措置をとることもなかったものであり、それは、ダスキンが危機的状況において役員に期待する行動規範に反することはもちろん、ダスキンの信用を著しく毀損し、消費者の信頼を失わせるもの以外の何物でもなく、ダスキンの利益に反するものであり、上記善管注意義務に反するものというべきである。」と判示した。

(判例時報1973号135頁)