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2007年06月11日

FC契約におけるロイヤリティ(チャージ率)の計算方法について争われた事案

平成19年6月11日最高裁判決

 コンビニエンス・ストアのフランチャイズ契約に加盟店は運営者に対して売上高から売上商品原価を控除した金額に一定の率を乗じた額を支払う旨の条項について争われた事案において、最高裁は、「本件契約書18条1項において引用されている付属明細書(ホ)2項には廃棄ロス原価及び棚卸ロス原価が営業費となることが定められている上,上告人の担当者は,本件契約が締結される前に,被上告人に対し,廃棄ロス原価及び棚卸ロス原価をそれぞれ営業費として会計処理すべきこと,それらは加盟店経営者の負担であることを説明していたというのであり,上記定めや上記説明は,本件契約に基づくチャージの算定方式が上告人方式によるものであるということと整合する。」「被上告人が本件契約締結前に店舗の経営委託を受けていた期間中,当該店舗に備え付けられていたシステムマニュアルの損益計算書についての項目には,「売上総利益」は売上高から「純売上原価」を差し引いたものであること,「純売上原価」は「総売上原価」から「仕入値引高」,「商品廃棄等」及び「棚卸増減」を差し引いて計算されることなどが記載されていたことも明らかである。」などとし、「本件条項所定の「売上商品原価」は,実際に売り上げた商品の原価を意味し,廃棄ロス原価及び棚卸ロス原価を含まないものと解するのが相当である。」と判示した。

(最高裁HP)