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2007年05月11日

交通事故に関する一部請求につき、残部にも催告による時効中断があるとされた事例

平成19年2月22日付け高松高裁判決

 交通事故による損害賠償請求につき、一部請求を行っていたところ、その残部につき3年の消滅時効にかかるとする抗弁が主張された事件につき、裁判所は、「本件訴訟において、認容を求める請求額の上限を画して訴えを提起してはいるものの、特段損害項目を特定して請求額を限定したものではなく、本件事故により梅夫及び被控訴人らの被った全損害につき、自賠法3条本文に基づく損害賠償請求権を有することを主張し、請求額を超える全損害の内容及び損害額の主張立証をし、単に請求した額の限度での支払を求めていたにすぎないのであるから、そのような事実関係の下においては、被控訴人らは、本件訴訟の提起及び係属により、当審拡張請求(残部請求)部分についてもこれを行使する意思を継続的に表示していたものと評価するのが相当であって、同部分につき、民法153条にいう「催告」が継続していたと解するのが相当である」と判示した。

(判例時報1960号40頁)