まねきTV著作権仮処分事件
平成18年8月4日東京地裁(47民)決定
ソニー製「ロケーションフリーテレビ」の構成機器であるベースステーションを用いて、インターネット回線を通じてテレビ番組を視聴できる「まねきTV」というサービスについて放送事業者の送信可能化権を侵害しているか争われた事件につき、裁判所は、「本件サービスにおいては、利用者が、自己の所有するベースステーションによって、放送波を受信し、自己の専用モニター又はパソコンから視聴したい放送を選択し、当該放送を上記ベースステーションによってデジタルデータ化した上、上記専用モニター又はパソコンに対し、デジタルデータ化した放送データを送信しているものである。これを利用者の立場からみれば、ソニー製のロケーションフリーテレビを債務者に寄託することにより、その利用が容易になっているにすぎない。」とし、「本件サービスにおける個々のベースステーションは、『自動公衆送信装置』に当たらず、債務者の行為は、著作権法2条1項9号の5に規定する送信可能化行為にあたらない」として債権者の請求につき却下したものである。
(判例タイムズ1234号278頁)