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2007年02月26日

著作権に関する告知行為に関する不正競争防止法事件

 キューピーの著作物の帰属に関する係争に関連して、第三者が著作権を有しているという告知を行った事件につき、裁判所は、「不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争行為は、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知等する行為をいう。他人の営業上の信用を害するか否かは、対象となる文言のみならず、告知文書の他の部分や添付された文書の記述をも併せて読むことにより、全体として虚偽といえるかどうか検討すべきであり、告知文書の形式・趣旨、告知の経緯、告知文書の配布先の数・範囲、告知の相手方のその後の行動等の諸般の事情を総合して判断すべきである。そして、虚偽の事実であるか否かは、告知内容について告知の相手方の普通の注意と読み方・聞き方を基準として判断すべきである。よって、告知の相手方がどのような者であって、どの程度の予備知識を有していたか、当該告知がどのような状況で行われたか等の点を踏まえつつ、相手方が告知された事実につして真実と反するような誤解をするか否かによって決すべきである。」と判示した。
(判例タイムズ1228号330頁)