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2007年01月23日

Yahoo!BB情報漏洩事件

 Yahoo!BBの顧客情報が漏洩した事件につき、裁判所は、「被告BBテクノロジーは、本件リモートメンテナンスサーバーを設置して本件顧客データベースサーバー等のサーバーへのリモートアクセスを行うことを可能にするに当たり、外部からの不正アクセスを防止するための相当な措置を講ずべき注意義務を怠った過失があり、同過失により本件不正取得を防ぐことができず、原告らの個人情報が第三者により不正に取得されるに至ったというべきである。したがって、同被告は、原告らに対し、本件不正取得により原告らの被った損害を賠償すべき不法行為責任がある」とした上で、「1月のデータに含まれていた原告らの個人情報は秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではなかったこと、被告BBテクノロジーが、本件恐喝未遂事件後、顧客情報の外部流出について発表を行い、不正取得されたことが確認できた顧客に対してその旨連絡するとともに、本件サービスの全会員に500円の金券を交付するなどして謝罪を行う一方、顧客情報についてのセキュリティ強化等の対策をとっていることといった本件に現れた一切の事情を考慮すると、原告らの精神的苦痛に対する慰謝料としては1人あたり5000円と認めるのが相当である」と判示した。
(判例時報1948号122頁)