浮世絵の模写に著作物性が認められた事例
江戸時代の浮世絵を模写して制作した模写作品において著作物性が認められるどうかが争われた事件において、裁判所は、「模写作品に、原画制作者によって付与された創作的表現が付与されている場合、すなわち、既存の著作物である原画に依拠し、かつ、その表現上の本質的特徴の同一性を維持しつつ、その具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が原画の表現上の本質的特徴を直接感得することができると同時に新たに別な創作的表現を感得し得ると評価することができる場合には、これは前記の意味の「模写」を超えるものであり、その模写作品は原画の二次的著作物として著作物性を有するものと解すべきである」と判示した。
(判例時報1946号101頁)