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2006年09月05日

「質権の対象である特許権の価格およびその質権の価格が認定された事例(その2)」 小沢征行弁護士

 最高裁平成18年1月24日判決について紹介されている。同判決は、「特許権の適正な価額は、損害額算定の基準時における特許権を活用した事業収益の見込みに基づいて算定されるべきものであるところ、、、同事業化の努力をしていたことなどが明らかである」「事業収益を生み出す見込みのある発明として相応の経済的評価ができるものであったということができ、、、仮に損害額の立証が極めて困難であったとしても、民訴法248条により、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいて、相当な損害額が認定されなかえればならない」と判示した。そこで、筆者は、知的財産権を実効価値ある担保として取得するには、インカムアプローチの方法での権利の評価が可能なものを担保に取るべきであるとしている。
(金融法務事情1779号4頁)