「費消済みインクタンクにインクを再充填する行為と特許権侵害の成否(上) ーインクカートリッジ知財高裁大合議判決の意義」 田村善之教授
インクジェットプリンタ用のインクタンク(インクカートリッジ)にインクを再充填する行為は、本件特許発明の本質的部分と抵触するから消尽の範囲外であるとするその論理は、消尽理論の本来の趣旨であるはずの取引の安全を損ないかねないという立場から、「ドラフティングの技術で非侵害の結論が侵害の結論に変更されることは、特許制度の趣旨とは無関係に権利範囲を拡張することになりかねない」等の指摘がなされている。
(NBL836号18頁)