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2006年06月30日

「相続預金の取引経過明細の開示請求に対する実務対応」 尾崎達夫、伊藤浩一、金子穣弁護士

 最高裁平成17年5月20日は、預金債権は相続により当然に分割承継されるにしても、取引経過の開示を受け得る地位は、預金契約当事者としての地位に由来するものであり、その地位は1個の預金契約ごとに1個であって、可分のものと観念できないから、各相続人は単独で開示を請求し得ないとした東京高裁判決を是認した。この点に関し、筆者らは、?取引経過明細の開示は預金契約に付随する義務であり、預金者に取引経過明細の開示請求権が存するが、?預金が相続された場合、各相続人が単独で開示請求を行うことはできないとしている。
遺産を巡る紛争において事実関係を早期に確定することは不可欠であり、その意味で、相続人による単独行使を否定することは実務的には足かせとなるであろう。
(金融法務事情1774号28頁)

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コメント

本年6月に父が逝去し公正証書遺言により相続が発生しているが、遺留分減殺請求するにあたり、遺産総額の確定ができません。金融機関に開示請求したところ1行だけは要求に応じず冒頭の判例にあるとおり相続人全員の請求でなければ応じられないとの事でした。相続人の開示請求を実質的に拒否するのはこうした判例の元、無用のトラブルを避けたいとする銀行側の意向は理解できなくもないが、相続人相互の平等性を欠いた判例と言わざるを得ないと感じます。よって2006-06-30の相続預金の開示請求が単独で行えないのは納得できない。

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