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2006年05月22日

賃借人が負う現状回復義務の範囲

 住宅供給公社との特定有料賃貸住宅の賃貸借契約における現状回復義務の範囲につき、最高裁は、「建物の賃借人において生ずる通常損耗についての現状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認めるなど、その旨の特約(「通常損耗補修特約」)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である」と判示した。
(判例時報1921号61頁)