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2007年08月15日

イニシアル・トークによる名誉毀損

平成18年11月7日東京地裁判決

メールマガジンや雑誌におけるイニシャルによる記事につき、裁判所は、「原告の周囲において、原告とイベントサークルとの関連性が取りざたされていたことなどからすれば、原告と面識がある物や、原告の属性のいくつかを知る者が本件記事を見れば、「K・T」ないし「K」を原告と認識することは容易である。したがって、本件記事における「K・T」ないし「K」は原告を示すものと言える。」「この点、被告噂の真相及び同丙川は、一般読者の普通の注意と読み方とを基準にして、本件記事において一般の読者は、原告を同定しえないから原告の社会的評価を低下させないなどと主張する。しかし、原告の属性のいくつかを知る者は不特定多数に及ぶことは容易に推認できることからすれば、そうした者が本件記事を読んだ場合、「K・T」ないし「K」は原告であると認識できる以上、被告の主張は採用できない」と判示し、名誉毀損を肯定したものである。

(判例タイムズ1242号224頁)