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2006年01月26日

「オレオレ詐欺」預金払戻代位請求事件

いわゆる「オレオレ詐欺」の被害者が口座名義人に対する不当利得返還請求権を保全するために、同口座名義人の有する預金の払戻請求権の代位行使の可否が争われた事件である。
東京地裁は、「C及びDは銀行口座の売買等を行い、一連のオレオレ詐欺グループと関わりを有する者であることが推認され、それによるならば、C及びDはオレオレ詐欺グループによって被害を被った多数の被害者に対して多額の不当利得返還債務等を負っている可能性が高く、その他本件に顕れた一切の事情を総合すると、同人らの無資力を推認することができると解される」として、不当利得返還請求権を保全するため、預金債権の払戻請求権を代位行使することを認めたものである。
正義にかなった妥当な判決である。
(金融法務事情1760号40頁)