« ダスキン取締役会議事録無断公開事件 | TOP | 「改訂 競売不動産評価マニュアル」 東京競売不動産評価事務研究会編 »

2006年01月12日

販売管理システム瑕疵事件

販売管理システムに関する請負契約の不履行が争われた事件である。東京地裁は、まず、当日入荷の引当処理時間につき「本件規模のシステムの場合に通常要求される一括在庫引当処理の一般的仕様は、数十秒からせいぜい1、2分程度」であり、「テストデータ300件ですら処理時間に44分も要するようなシステムは、およそ本件契約の内容に適合しないものというほかない」とした。次に、排他制御による「待ち」に関し、「本件システムは、数時間を要する一括在庫処理中には、一切、他の商品マスタを利用する処理ができず」「実際の業務において使用に耐えないことは明白である」とした。そして、「本件各不具合のうち、少なくとも一括在庫引当処理及び排他制御の問題については、これをもって、およそ被告が、原告に対し、システムを納入していないとまでいえるかはともかくとして、契約の目的を達成することのできない重大な瑕疵に該当する」と判示した。
(判例タイムズ1194号171頁)