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2010年06月28日

メディアを通じた企業情報提供

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1) 企業情報の提供サービス
・新規開拓、販路拡大、新規取引可否判断、与信管理、取引継続可否検討、取引条件設定・見直し、資金調達等のために、正確な企業情報の取得が不可欠。
2) インターネット・メディアにおける規制
2009年3月10日、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)は、「Operation Spamalot」(Spamalot作戦)と呼ぶ株価操作スパム撲滅プロジェクトの一環として、株価操作を目的としたスパム・メールの対象となった35社の株取引停止に踏み切った。
一般に、インターネット・メディア上での情報操作で利用される手口としては、
(1)スパム・メールによる虚偽情報の流布、(2)ファイナンス系の掲示板へのインサイダー情報の書き込み、(3)Webページやブログでの虚偽情報の流布などがある。
ネット上には多くの情報があふれており、個人投資家が情報の真偽を判断するのは難しく、株取引のオンライン化によって無防備な個人投資家が増加したこと等の背景事情がある。
供.ぅ鵐拭璽優奪函Ε瓮妊ア等による情報開示(disclosure)
1 基本情報の開示
1) 法人組織(商法8条以下、商業登記法)
  商号、本店所在地、役員名、機関構成  → 商業登記簿謄本(全部事項証明書)
2) 計算書類(会社法431条以下)
帳簿の閲覧・謄写、広告等  → 書類の備え置き、新聞広告等
「財務諸表」(連結財務諸表、中間財務諸表)とは
 貸借対照表(B/S)、損益計算書(PL)、キャッシュ・フロー計算書
 利益処分計算書・損益処理計算書、附属明細表
◎資金調達し→資産への投資を行い→売上げが立ち(利益が生まれ)→再投資
 → 期間通算としてのフローとストックの状況を把握する。
◎粉飾のパターン 〇饂魂畭膕宗↓負債過少化、収益過大化、し佝餡畩化
→ 総売上利益率(粗利率)の変化、営業外収益の増加など各業界における平均的数値との比較や過去何期分かとの比較分析を行う。
2 金融商品取引法における情報開示
 1) 情報開示制度の概要
・対象 ・・・有価証券の投資者となりうるあらゆる個人・法人
 財務諸表・連結財務諸表 → 公衆の縦覧(財務局、証券取引所、証券業協会)
・発行市場における開示
  発行会社 →   金融当局    有価証券通知書
           投資家全体   有価証券届出書(間接開示)
           被勧誘者    目論見書(直接開示)
・流通市場における開示
 イ) 定期的開示書類
有価証券報告書、半期報告書、自己株券買付状況報告書(金庫株)
 ロ) 有価証券報告書の提出義務者
   上場会社、店頭登録会社、株主数500名以上の会社等
 ハ) 有価証券報告書の提出時期
   各事業年度経過後3ヶ月以内
 ニ) 有価証券報告書の内容
  「企業情報」として、企業の概況、事業の状況、設備の状況、提出会社の状況、経理の状況、株式事務の概要、提出会社の参考情報
   + 公認会計士または監査法人の監査証明
 2) 趣旨  
 金融商品取引法とは、証券取引法などを抜本的に改正し成立したもので、様々な金融商品について、開示制度、取扱業者に係る規制を定めることなどにより、国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目指した法律。
いわゆる「貯蓄から投資へ」の環境作りを行う法律。
 3) 開示制度(ディスクロージャー)
 イ) 四半期開示の法定化
ロ) 財務報告に係る内部統制の強化
   ※ 適正開示に関する経営者の確認 等
ハ) 公開買付(TOB)制度の見直し
ニ) 大量保有報告制度の見直し
    ※ 特例報告期限  3ヶ月毎15日以内 → 2週間毎5営業日以内
 4) 内部統制ルールの確立
金融商品取引法が成立したことにより、すべての上場企業は、2009年3月からの決算以降、「内部統制報告書」を提出する義務を負うことになった。

3 EDINET(エディネット)
 1) 内容
 Electronic Disclosure for Investors' NETwork(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)とは、開示書類等に記載すべき情報をインターネットにより財務省の財務局等に提出し、提出された開示情報をインターネット等を利用して広く一般に提供するシステムであり、金融庁より行政サービスの一般として提供されている。
 2) 意義
従来、紙媒体で提出されていた有価証券報告書や有価証券届出書、公開買付届出書等の開示書類の提出、公衆縦覧等の一連の手続が電子化されることで、…鷭于饉劼了務負担が軽減されるとともに、投資家が企業情報へ公平かつ迅速にアクセスすることが可能となり、証券市場の効率性が高まる。
 3) 経緯
 平成16年6月1日からは有価証券報告書や有価証券届出書をEDINETにより提出することが原則として義務化され、平成20年3月17日より、XBRL(財務情報を効率的に作成・流通・利用できるよう、国際的に標準化されたコンピュータ言語)を用いた新システムに移行。
http://www.fsa.go.jp/search/20080304-1.html

4 金融商品取引法におけるインサイダー取引規制
 1) インサイダー取引とは
 会社の取締役、従業員、その他会社の重要な情報(内部者情報)にアクセスしうる者(内部者)が、その情報の公表前に行う、当該会社の株券その他の証券等(特定株券等&関連株券等)の売買等を行う取引
 2) 12時間ルール
 ―斗彁実を公開する権限を有する者(代表取締役や広報担当者等)が、国内において時事に関する日刊総合誌を販売する新聞社、その新聞社に情報を配信する通信社、国内において産業・経済に関する日刊総合紙を販売する新聞社、NHK、一般放送事業者のうち、2社以上に対して重要事実を公表して、12時間が経過したとき、インサイダー取引規制の対象とはならない。
 3) 証券取引法施行令及び取引規制府令の改正(平成16年2月1日より施行)
上場会社等が、その発行する有価証券を上場する証券取引所(店頭登録会社の場合は、証券業協会)の規則で定めるところにより、当該証券取引所に重要事実を通知し、これが当該証券取引所において公衆の縦覧(HPへの掲載)に供されたときに、重要事実が公表されたことになる。
  Cf.東京証券取引所「適時開示情報閲覧サービス」
http://www.tse.or.jp/listing/disclosure/index.html

掘.泪后Ε瓮妊アを通じた情報提供
 1 風説の流布の禁止
・東天紅株証券取引法違反事件(東京地裁平成14年11月8日、判時1828号142頁)
「公開買付けを行う場合には,日刊新聞紙に,当該公開買付けの目的,買付けの価格,買付予定の株数,買付けの期間等を記載した公開買付開始公告を掲載するとともに,その日に,買付けの価格,買付予定の株数,買付けの期間等を記載した公開買付届出書を大蔵大臣(当時)に提出し,大蔵省,公開買付対象会社,証券取引所等で公衆の閲覧に供されることとなっている(同法27条の3参照)。また,公開買付けを行う場合の株券等の保管や買付代金支払等の事務を行うことができる者も証券会社又は銀行等の金融機関に限定されており(同法27条の2第4項参照),そのため,公開買付けを行おうとする者は,必ず特定の証券会社や銀行との間で業務委託契約を締結して受託金融機関を指定しなければならず,さらに,金融機関への委託が強制されている上記の事務以外にも,公開買付けに当たっては金融や証券に関する高度の知識と経験を要する作業が必要となるため,その準備作業全般にわたって金融機関の助力を受けなければ,公開買付けを行うことができないのが実情であるとされる。そして,当然のことながら,金融機関においては,顧客から公開買付けに関する案件の依頼があった場合,その計画の内容,資金手当の確実さ,顧客の信用力等を慎重に検討し,法的ないし経済的リスク等を種々勘案した上で,業務委託契約を締結するか否かを判断し決定するものであって,依頼があれば直ちにこれを受諾するというものでないことはいうまでもない。しかも,証券会社等が顧客からの依頼に応じて公開買付けの受託金融機関になった場合でも,その後の準備作業として,弁護士や公認会計士の選任,公開買付けに必要な各種書類の作成,対象会社の分析による公開買付価格の決定等の多くの作業が必要であり,そのような準備作業を経た上で,最も有効かつ適切な時機を見計らって記者発表を行うとともに,上記の公告や公開買付届出書の提出といった正式な公開買付けの手続に入ることになるのである。」
「被告人,G,F及びHは,実際には甲株の公開買付けを行う意思など全くなかったのに,公開買付けを行う旨の記者発表をしてこれを公にすることにより,甲株の株価を騰貴させて(このような情報が公表された場合,事柄の性質上,証券市場が直ちにこれに反応して,甲株の株価が騰貴するということは見やすい道理であり,本件に際しても,直ちにこれが報道された結果,その翌日には,実際に甲株の株価が騰貴しているのは,上記2の(3)で認定したとおりである。),それにより,差し当たり,信用取引により株取引を行うに当たり委託保証金の代用有価証券として証券会社に差し入れていた甲株の担保価値を増加させることにより,信用取引枠を拡大させて更に株取引を行い得る状況を作出し,さらには,時機をみて,甲株を買値より高値で売り抜けることによって利益を得ることなどを目論んで,すなわち,被告人らが,甲株の相場の変動を図る目的をもって,意思を相通じて共謀の上,互いに協力して,甲株の公開買付けを行うという架空の計画を標榜し,その旨の記者発表をするなどという虚偽の内容の本件文書を,東京証券取引所内の記者クラブの幹事社にあててファクシミリ送信することにより,これを不特定多数の者に伝達され得る状態に置いたものと認めることができる。したがって,このような被告人らの行為が,証券取引法158条にいう風説の流布に該当することは明らかである。」
(量刑の理由)「本件一連の犯行は,被告人らが,株取引を行うに当たり,投資者の保護等のための必要な情報を開示しなかったり,逆に,株の大量保有者や公開買付けに関する虚偽の情報を所轄官署に報告し,あるいは,報道機関に伝えて発表し,健全な株式市場を確立して株取引の公正を確保しようという証券取引法の目的を著しく阻害したものである。とりわけ,判示第2及び第3の各犯行については,被告人らの発表した虚偽の情報により,甲株の株価が,いったんいわゆるストップ高になるほどに騰貴した後,まもなく一転して急落し,売り気配のまま取引ができない状態まで生じたことがうかがわれるなど,株式市場が大きく混乱したものであって,その結果,多くの投資者を惑わせたことは推察に難くなく,ひいては証券市場に対する信頼を揺るがせたばかりか,甲の企業イメージをも大きく損なわせた点でも,犯情は悪質である。」
 2 マスコミ公表と信用毀損
1) パチスロ機誹謗中傷事件
 パチスロ機業界のアルゼ社によるマスコミ向け記者会見における発言が、不正競争防止法2条1項13号(現14号)所定の不正競争行為「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」に該当するかが争われた事件。
2) 第1審判決(東京地裁平成13年8月28日、判時1775号143頁)
 「本件記者会見は,被告会社が提起した別件対サミー訴訟について,訴訟提起に至る経緯,訴訟における請求の内容等の事情を説明する目的で,平成11年11月15日,遊技機業界関連のマスコミ関係者を,被告会社本社事務所に集めて開かれたものである。特許権等の保有者が自己の権利を侵害されているとの考えの下に,当該侵害者を相手方として訴訟を提起することは,当該訴訟が不当訴訟と評価されるような特段の事情のない限り,当該特許権等の行使として許される行為であり,当該訴訟提起の事実をマスコミ等の第三者に告げる行為も,権利行使に当然に伴う行動として許容されるものであって,それが直ちに不正競争行為に該当するものではない。しかしながら,第三者に対する告知が,当該相手方に対して訴訟を提起した事実や当該訴訟における自己の請求の内容や事実的主張,法律的主張の内容を説明するという限度を超えて,当該相手方を根拠なく誹謗中傷する内容にわたる場合には,当該誹謗中傷部分が不正競争行為に該当することがあるものというべきである。」
 「原告が製造業者から特許権等の再実施許諾の対価を徴収していること自体を「詐欺的行為」と断定するなど,別件対サミー訴訟における被告会社の見解を説明する範囲を超えるものである。」
 「被告らは,甲野発言は,公共の利害に関し専ら公益を図る目的で事実を摘示したものであるから,公正な論評として保護されるものであり,仮に真実でなかったとしても,被告甲野において発言内容を真実と誤信するにつき相当の理由があるから,故意過失を欠くものとして不法行為責任を阻却されると主張する。」
「被告甲野は,遊技機業界関連のマスコミ関係者を集めた本件記者会見において〔2〕〔3〕の発言部分を述べたものであり,その場で発言を聞いたマスコミ関係者を通じて発言内容が報道されることを想定して当該発言をしたものであるから,これが虚偽の事実を「告知し,又は流布する行為」に該当することは明らかである。」
  3) 控訴審判決(東京高裁平成14年6月26日、判時1792号115頁)
「A発言の受け手は、本件記者会見に出席した遊技機業界関連のマスコミ関係者であり、本件記者会見が、別件対サミー訴訟を提起するに至った控訴人会社側の言い分を説明するための場として持たれることを前提に、その取材という明確な目的をもって参集した者である。そして、乙10(本件記者会見の録音テープの反訳書面)に示された質問者の質問内容等に照らせば、パチンコ機製造業者におけるパテントプール方式に対して公正取引委員会の排除勧告等が行われたこと、その波及として、控訴人会社が本件パテントプール方式からの離脱を主張するようになったこと、別件対サミー訴訟の提起が、控訴人会社の本件パテントプール方式からの離脱に伴うものであることといった、上記1認定の事実の基本的な流れは、出席者らの予備知識として有していたものと推認される。また、本件雑誌は、被控訴人自身が「業界誌」であると主張するものであり、この点について控訴人らの特段の反論もないことから、その主な読者は、パチスロ機の製造販売業者等の関係者であると認めるのが相当である。そして、このような本件雑誌の読者にとって、控訴人会社による別件対サミー訴訟の提起が重大な関心事として受け止められていたことは前示のとおりであり、その背景事情を含め、予備知識として有していたものと推認される。」
  「したがって、本件においては、上記のような受け手の普通の注意と聞き方ないし読み方を基準として、陳述ないし掲載された事実について、真実と反するような誤解をするかどうかによって決する必要がある。」
「A発言〔2〕〜〔4〕中には、被控訴人を「異常な会社」、その活動を「詐欺的行為」ないし「非常に怖いこと」であると表現する意見ないし論評にわたる部分はあるものの、A発言全体の中でとらえた場合、別件対サミー訴訟に関する控訴人会社の主張、すなわち、本件実施契約の解消に伴い被控訴人は本件実施契約に係る特許権等の再実施許諾をする権限を喪失したとの主張を、やや俗な言葉で説明したものと理解することは、少なくとも、上記1の認定事実のおおまかな流れを予備知識として有する者にとって、さほどの注意を払うことなく容易にし得るものと解される。そして、上記A発言の直接の聞き手が一般大衆であれば格別、本件においては、本件記者会見が別件対サミー訴訟を提起するに至った控訴人会社側の言い分を説明するために開催されていることを当然の前提として、しかも当該問題について一定の前提知識を有し、取材という明確な目的を持ってこれに出席した遊技機業界関連のマスコミ関係者であったことを考えると、そのような出席者の普通の注意と聞き方を基準として判断した場合、A発言〔2〕〜〔4〕は、別件対サミー訴訟に関する控訴人会社の主張、すなわち、本件実施契約の解消に伴い被控訴人は本件実施契約に係る特許権等の再実施許諾をする権限を喪失したとの主張を、やや俗な言葉で説明したものと理解されるにとどまると解され、本件実施契約の解消という事実自体に関して、あるいは、被控訴人が「詐欺的な行為を行う異常な会社である」かどうかという事実に関して、真実に反する誤解をするような陳述であると解することはできない。」
 「したがって、A発言〔2〕〜〔4〕において陳述された事実が「虚偽」であるということはできない。」
 なお、最高裁(平成15年1月30日決定)にて上告棄却され、確定。
 3 マスコミ公表と経営判断原則(business judgment rule)
・ダスキン肉まん事件(平成18年6月9日大阪高裁、判時1979号115頁)
「一審被告らは,本件混入や本件販売継続の事実がZ側からマスコミに流される危険を十分認識しながら,それには目をつぶって,あえて,「自ら積極的には公表しない」というあいまいな対応を決めたのである。そして,これを経営判断の問題であると主張する。しかしながら,それは,本件混入や販売継続及び隠ぺいのような重大な問題を起こしてしまった食品販売会社の消費者及びマスコミへの危機対応として,到底合理的なものとはいえない。
 すなわち,現代の風潮として,消費者は食品の安全性については極めて敏感であり,企業に対して厳しい安全性確保の措置を求めている。未認可添加物が混入した違法な食品を,それと知りながら継続して販売したなどということになると,その食品添加物が実際に健康被害をもたらすおそれがあるのかどうかにかかわらず,違法性を知りながら販売を継続したという事実だけで,当該食品販売会社の信頼性は大きく損なわれることになる。ましてや,その事実を隠ぺいしたなどということになると,その点について更に厳しい非難を受けることになるのは目に見えている。それに対応するには,過去になされた隠ぺいとはまさに正反対に,自ら進んで事実を公表して,既に安全対策が取られ問題が解消していることを明らかにすると共に,隠ぺいが既に過去の問題であり克服されていることを印象づけることによって,積極的に消費者の信頼を取り戻すために行動し,新たな信頼関係を構築していく途をとるしかないと考えられる。また,マスコミの姿勢や世論が,企業の不祥事や隠ぺい体質について敏感であり,少しでも不祥事を隠ぺいするとみられるようなことがあると,しばしばそのこと自体が大々的に取り上げられ,追及がエスカレートし,それにより企業の信頼が大きく傷つく結果になることが過去の事例に照らしても明らかである。ましてや,本件のように6300万円もの不明朗な資金の提供があり,それが積極的な隠ぺい工作であると疑われているのに,さらに消極的な隠ぺいとみられる方策を重ねることは,ことが食品の安全性にかかわるだけに,企業にとっては存亡の危機をもたらす結果につながる危険性があることが,十分に予測可能であったといわなければならない。
 したがって,そのような事態を回避するために,そして,現に行われてしまった重大な違法行為によってダスキンが受ける企業としての信頼喪失の損害を最小限度に止める方策を積極的に検討することこそが,このとき経営者に求められていたことは明らかである。ところが,前記のように,一審被告らはそのための方策を取締役会で明示的に議論することもなく,「自ら積極的には公表しない」などというあいまいで,成り行き任せの方針を,手続き的にもあいまいなままに黙示的に事実上承認したのである。それは,到底,「経営判断」というに値しないものというしかない。」
 「一審被告Y2及び一審被告Y1の善管注意義務違反,さらには,その後の「自ら積極的には公表しない」というあいまいで消極的な方針が,保健所の立ち入り検査後にマスコミ各社の取材を受ける形で急遽公表を迫られ,それにより上記のような大々的な疑惑報道がなされるという最悪の事態を招く結果につながったことは否定できない。したがって,一審被告Y1及び一審被告Y2と,その他の一審被告らは,事実を知った時期及び地位などに照らしその割合を異にするとはいえ,いずれもその善管注意義務違反により損害が拡大したことに責任を負うべきである。」