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「本件メディカルビルは、その性質上、他科医療機関が入居することが前提となっていること、原告は、本件メディカルビルに入居するか否かの意思決定をするにあたっては、本件メディカルビルに他科医療機関が入居することを重要な要素としていたことが認められる。そうすると、Aは、原告が本件メディカルビルへの入居の意思決定をするにあたり、重要な情報について、虚偽の情報提供をするなどして、原告の自由な意思決定を妨げたといえる。以上からすれば、Aを担当していた被告は、契約当事者として、原告が契約締結するか否かを決定するにあたり、重要な情報について、正確に説明する義務を怠ったというべきであり、信義誠実の原則に著しく違反していることから、いわゆる契約締結上の故意又は過失により、不法行為責任を負うというべきである。」「被告は、原告の受けた前記(1)の損害について賠償すべきものといえるが、被告の負担すべき損害賠償額を算定するにあたっては、原告が最終的には自己の判断で旧賃貸借契約の解決及び本件内装工事の発注を行ったとみることができる点を斟酌すべきであり、前記(1)の損害について5割を減ずるべきである。」
(判例タイムズ1213号205頁)
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「不正競争防止法2条1項3号は、、、それ自体独立して譲渡、貸渡し等の対象となるものであることが必要である。したがって、商品の形態の一部分については、それ自体独立して譲渡、貸渡し等の対象となる部品である場合には、その部品の形態は、『商品の形態』であるといえるが、商品の形態の一部分が、独立した譲渡、貸渡し等の対象ではなく、販売の単位となる商品の一部分を構成しているにすぎない場合には、当該一部分に商品の形態の特徴があって、その模倣が全体としての『商品の形態』の模倣と評価し得るなど特段の事情がない限り、原則として、その一部分の形態をもって『商品の形態』ということはできない。」
(判例時報1933号107頁)
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「一般に、事業者が、その役務に関してインターネット上にウェブサイトを開設した際のページの表示は、その役務に関する広告であるということができるから、インターネットの検索サイトにおいて表示される当該ページの説明についても、同様に、その役務に関する広告であるというべきであり、これが表示されるようにhtmlファイルにメタタグを記載することは、役務に関する広告を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為にあたるというべきである」「ページの説明文に存在する標章が、リンクされたページに表示されなかったとしても、それだけで、出所識別機能が害されないということはできない」(判例タイムズ1212号275頁)
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「被告及び被告会社は、原告の肖像権を侵害しないよう事前に本件写真の利用につき原告の承諾を得る義務があったにもかかわらずそれを怠った過失により、原告の肖像権を侵害したものであり、また、本件写真を被告会社に提供した被告丙川の行為と被告丙川から提供を受けた本件写真を公表した被告会社の行為との間には、共同不法行為の私立を認めることができる」「約5ヶ月間にわたって出会い系サイトの広告に用いたというものであり」また「多数のアダルト雑誌に原告の顔写真が大きく掲載され、大勢の人に原告の顔を見られたことによる精神的苦痛も被ったことが認められる」「この他、本件に現れた一切の事情を斟酌し、原告の被った精神的損害は100万円と認定するのが相当である。」
(判例時報1932号103頁)
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コンプライアンス態勢を構築するために、?経営トップがコミットメントを強力に行うこと、?コンプライアンス部門に強力な人材を配置し、権限を与えること、?「革新を阻む動き」に対して断固とした措置をとること、?アンケート等により組織実態の現状把握をすること、?中間管理職層を革新の核とすること、?活動を発表する機会を持つこと、?教育・訓練の強化、?スムーズなコミュニケーションの確保などが重要であると指摘されている。
(NBL839号58頁)
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「構成部分の変動する集合動産を目的とする譲渡担保においては,集合物の内容が譲渡担保設定者の営業活動を通じて当然に変動することが予定されているのであるから,譲渡担保設定者には,その通常の営業の範囲内で,譲渡担保の目的を構成する動産を処分する権限が付与されており,この権限内でされた処分の相手方は,当該動産について,譲渡担保の拘束を受けることなく確定的に所有権を取得することができると解するのが相当である。」「他方,対抗要件を備えた集合動産譲渡担保の設定者がその目的物である動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合,当該処分は上記権限に基づかないものである以上,譲渡担保契約に定められた保管場所から搬出されるなどして当該譲渡担保の目的である集合物から離脱したと認められる場合でない限り,当該処分の相手方は目的物の所有権を承継取得することはできないというべきである。」
(最高裁HP)
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平成18年6月15日、法例を全面改正する「法の適用に関する通則法」が可決成立し、その内容に関する解説がなされている。今回の改正によって、消費者契約に関する消費者保護規定や名誉または信用に毀損の特則など新しい条項も設けられた。国際取引(渉外事件、国際私法)分野においては、重要な改正となっている。
(金融法務事情1778号62頁)
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裁判外紛争解決手続の利用に促進に関する法律(平成16年12月公布)につき、平成18年4月28日、裁判外紛争解決手続の利用の則人に関する法律施行令および裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律施行規則が公布され、同年6月20日には、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の実施に関するガイドラインが制定され、それらの概要につき解説がなされている。
(NBL838号23頁)
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「本件各製作図及び本件各原価表に記載された情報並びに本件各番号は、原告において、営業秘密として管理されていたとまではいえない。しかし、上記認定事実によれば、原告は、独自に作成した本件各製作図を用いて、キングピンを製作しており、その品質は市場において一定の評価を受けている上、本件各原価表は、キングピンキットの販売価格を決定するために必要な資料であり、また、本件各番号も、より円滑な販売活動に貢献するものであるから、原告は、本件各製作図及び本件各原価表に記載された情報並びに本件各番号を用いることによって、営業上の利益を得ていたものと認められる。したがって、同情報等にいは財産的価値があり、同情報等を不正な手段により入手し、これを利用してキングピンキットを製造販売する行為は、原告の営業上の利益に対する違法な侵害になるというべきである」と判示した。
(判例時報1931号92頁)
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いわゆる空リースの場合において、保証人が責任を負うかどうかについて、裁判例は5例あり、うち保証人による保証契約において錯誤があったとして無効主張を認めたものが2例あると紹介されている。不公正な取引を防止する意味でも、リース会社による物件確認義務は肯定されるできであろう。
(金融法務事情1777号56頁)
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「被告は、本件契約は、本件楽曲等の著作権の譲渡を内容とするものであったとも主張する。しかし、著作権の譲渡は著作権者に重要な影響を及ぼすものであるにもかかわらず、本件契約においては、契約書等、譲渡の合意があったことを明確に示す文書が作成されていないこと、被告としては、本件再放送等において追加の対価を支払うことなく自由に本件楽曲等を使用することができれば、本件契約の目的を十分達成することができること、、、などからすると、本件楽曲等については、本件契約により、被告に対し、被告が本件各番組の背景音楽等あるいはスポットとして使用することについては包括的な許諾がなされたものと認められることは前記の通りであるものの、著作権譲渡の合意があったとまでは認めることはできない」と判示した。
(判例時報1930号133頁)
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