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2012年04月11日

岐阜県養老郡の酒造訪問

 先日、お気に入りの鮨屋の大将にお誘いいただき、「醴泉」(れいせん)という美酒を造っている岐阜県養老郡の酒造見学に行ってきました。


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 717年、元正天童が美濃の国を訪れ、滝の水が酒に変わったという話を聞き、「醴泉は、美泉なり。以て老を養うべし。蓋し水の精なればなり。天下に大赦して、霊亀3年を改め、養老元年と成すべし」としてこの地を養老と名付け、九成宮の泉の名から「醴泉」と名付け、年号を養老と改めたと言い伝えられています。
 ここでは、1806年(文化3年)より、日本酒造りを始めたそうです。


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 まずは、酒造好適米を探すことが重要です。ここで用いられているのは、山田錦という全国的に有名なお米です。


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 次に、ここでは、とても大きな自家精米器が2台もありました。2台の精米器を使って、自家精米を行うことによって、お米に温度を伝えない等様々なメリットを享受することができるのだそうです。


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 お米に、水分を含ませる時間も厳格に定められており、このタイミングを見計らって、お米を別の場所に移し替えることになります。この時間も季節や気温等によって異なるようであり、克明にノートに記録がとられているようでした。


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 その後、広い場所で、お米を蒸らしてかき混ぜていくことになるのですが、相当な重労働になるそうです。「仕事が増えると、辞表が増える」と社長さんも冗談を言われていました。


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 酒麹を飛散させる場所にも特別に入れていただきました。独特な湿度と温度を肌で感じとることができました。ここは、菌の管理が大変であるため、普段はめったに入ることができない(社長ですら、入ることができない)大切な場所だそうです。


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 その後、大きな瓶の中で、ぐつぐつと発酵が進んでいくようです。この瓶に誤って落ちてしまいますと、命を落としてしまうそうで、助けようとした仲間が道連れになることもあるのだそうです。酒造りは、文字通り、命懸けと言えます。


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 以上のように日本酒造りの工程を少しだけ紹介させていただきましたが、本当はもっと複雑な肯定があり、こんなに手間を掛け、気配りを行っているのかとびっくり致しました。日本の職人しかなし得ない高邁な世界と言えます。

 私は、普段は日本酒をあまり飲まないのですが、折角の機会ですので、二日酔いを顧みず、純米大吟醸や純米吟醸などをたらふく頂きました。「垢ぬけて、品格のある酒」を目指しているということだけあって、飲み口が爽やかで、上品な余韻が楽しめるお酒であることがわかりました。
 しかも、あれだけ飲んだにもかかわらず、全く二日酔いになりませんでした。やはり、良いお酒というのは、ひと味もふた味も違います。すっかり、日本酒のファン、「醴泉」のファンになりました。
 大将、このたびは、貴重な機会を作っていただき、誠に有り難うございました。