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2011年02月28日

北イタリア・ミラノ

○月○日 ミラノ

 北イタリア・ミラノのオペラを上演するスカラ座の前の広場に、レオナルド・ダ・ビンチの彫刻が聳え立っていました。現地ガイドの説明によると、当時、武器製造で栄えていたミラノに書簡を送り、ダ・ビンチが自らの知識と技術をアピールし、積極的に売り込んで、移り住んできたといういうのです。
 偉大なる天才にしても、当時、その先見性や才能に気づく人が少なかったということなのでしょうか、それとも、ダビンチ自身の生活が苦しかったからなのでしょうか、いずれにしましても、現代に生きる我々としましても、自らチャレンジし、積極的に売り込んでいく気概の大切さを学んだような気がしました。

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 その後、芸術的な美しさと高さを誇るガッレリアというアーケードを見学しました。パリのエッフェル塔の原型がここにあったそうで、東京ディズニーランドのワールド・バザールの原型もここにあったのだろうと想像できる貴重な文化的遺産でした。ただ、その一等地にマクドナルドがあることには、少しがっかりしました。

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 そして、そのアーケードを通り抜けると、白亜の大理石で作られたドゥオモが忽然と聳え立っていました。イタリア最大のゴシック建築である大聖堂ドゥオモ(Duomo)です。その壮大さと荘厳さに、驚嘆致しました。500年以上の歳月をかけて、100を超える尖塔や2000を超える彫像までも作られたものであり、当時の大聖堂建築への強い意志や理想、財力や政治力などにも思いをはせざるを得ませんでした。
 それに引きかえ、日本の政治は、無意味な土木工事や不可解で無機質な箱物ばかりを作り、将来世代に誇れるものを何か1つでも作っているのだろうか、、、少し劣等感にも近い感情を抱きました。

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 イタリアは、見る物すべてが新鮮であり、文化的にもとても豊かな国であり、滞在中は、大変有意義な時間を過ごすことができました。

2011年02月25日

水の都ヴェネチア

○月○日 ヴェネチア

 シェークスピア作「ベニスの商人」にて、果たして公正な裁判とはどういうものだろうかと考えさせられたことがある、水の都ヴェネチア(ベニス)に行ってきました。かつて攻め込まれ、敵から逃れるためラグーン(葦原)に移り住んだという話は本で読んだことがありましたが、まさに水の上に浮かぶ街といった感じでした。

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 少し靄のかかった朝、宿泊先のホテルから海上タクシーに乗り、サン・マルコ寺院を訪れました。イタリアのどの都市国家にも町の守護聖人という人がいるそうですが、この町では、アレキサンドリアからイスラム教の禁忌である豚肉に包んで敵の目を忍んで運び込まれたという聖サン・マルコを祀っています。黄金に輝くモザイク画が当時の栄華を後世に伝えているようであり、その壮大さに、西洋におけるキリスト教の影響力の強さを感じました。

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 その後、ドゥカーレ宮殿を訪れました。共和国提督の邸宅として使われていたそうですが、評議場などがありました。その大評議室は25メートルプールが優に入る広さで天井も高いものでしたが、その壁に描かれたティントレット作「天国の図」は世界最大の油絵だそうで、画材に鉛を使っていた関係で少し黒ずんでいましたが、とても迫力がありました。

 また、裁判所も同じ建物内部にあったそうです。その裁判所の壁の右から4つ目の区切り部分が隠扉となっており、その奥で拷問が行われていたという話を聞いて、目をつぶって間違った裁判を行い、冤罪も生み出していたのであろうことを思うと、少し暗澹たる思いがしました。
 その拷問を用いた裁判が行われていた裁判所から監獄に繋がる橋が有名な「ため息橋」(Ponte dei Sospiri)です。

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 訪れた時は、残念ながら、両側の壁の補修中で、外観のほんの一部しか見ることができませんでした。

 ただ、牢獄に通じる狭い通路を歩いている時には、無実の者の声が聞こえるようであり、少し肌寒い感じがしました。

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 現代の刑事裁判においては、絶対に拷問などを行ってはならず、また無辜の処罰も絶対に行われてはならないと強く感じました。

2011年02月23日

花の都フィレンツェ

○月○日 フィレンツェ

 花の都フィレンツェに来た。まるで街全体が美術館のようと言われるように、アルノ川、建物、道路、橋、見るものすべてが温かい淡い色彩と美しい造形に包まれており、心地のよいことこの上ない街です。最初に、ポンテ・ベッキオ(大きな橋)を右手に見ながら、ウッフィツィ美術館に行きました。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「春」などは美術の教科書にもでてくる有名な作品ですが、ゴシック絵画からルネッサンス絵画への自由な画風への変化が感じられ、また、それぞれの人物が浮き立つように描かれ、物語のようであり、とても興味深いものでした。また、ミケランジェロがキリストとマリア様、その父を描いた作品もありました。その丸い絵画の周りには、グロテスク画も描かれており奇妙な感じもしました。ミケランジェロは、その作品代金を支払ってもらえず、やむを得ず裁判を起こしたという逸話も面白いものでした。芸術に生きたミケランジェロと言えども、世俗的な問題に悩まされていたというわけです。

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 その後は、世界で4番目に大きい教会とも言われるドゥオーモ(Santa Maria del Fiore)に行きました。この白、ピンク、グリーンの大理石によって幾何学模様が彫り込まれた大聖堂は、驚嘆に値します。建物を見て、こんなに感激したのは、生まれて初めてかも知れません。素晴らしい美しさでした。教会の中は比較的地味な感じでしたが、「最後の審判」のフレスコ画も見ていると首が痛くなるほど、興味深く見入ってしまうものでした。その正義と悪を裁くキリストの姿を見ていると、どの時代でも罪を犯す人間がいて、死後地獄に行くといくら諭しても更正できない人がいる、そういう人間社会における苦悩が感じられるようでした。

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 午後は、フィレンツェの裁判所に行きました。ゆったりとした華やかな街の中で、少し凛とした雰囲気の感じられる場所でした。

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2011年02月22日

ローマ出張(その3)

○月○日 ローマ

 フォロ・ロマーナに行ってきました。ここは古代ローマの政治が行われていた場所ですが、約2千年前の議会建物などの柱が残っていることが驚嘆に値します。ちょうど塩野七生の「ローマ人の物語」(長編)を読んでいる最中であり、色々な想像力を掻き立てられる場所でした。一本の柱から、まるでCGのように頭の中で建物が再現されていくようであり、ハンニバルと戦った稀代の戦術家スキピオや、カエサル(シーザー)などの声や演説が聞こえてくるようでもありました。
 おそらく裁判所もここにあったのではないかと思いますが、後日研究してみたいと思います。

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 その後、映画「ローマの休日」で有名になったサンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Santa Maria in Cosmedin)に行ってきました。この「真実の口」の複製がローマ三越にもあるらしいのですが、やはり本物を見なければとタクシーを飛ばして行ってきました。世界中でこれほど有名な下水溝のマンホールの蓋はないでしょう。恥ずかしながら、私も「真実の口」にそっと手を入れてきました。もちろん、右手が食いちぎられることはなく、ちゃんと残っていることは言うまでもありません。法律家として、あるいは人として、一生、手がちぎれないように、偽りの心を持つことなく、真実を大切にしていきたいと感じました。

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2011年02月21日

ローマ出張(その2)

○月○日 ローマ

 サンピエトロ寺院隣のバチカン美術館に行ってきました。古代の遺物から、ありとあらゆる種類の大理石の彫刻まで展示されており、じっくり見ていると時間がいくらあっても足りないほどの広さと展示の多さでした。そして、まるで夢のような美しさの回廊が続いており、その長さと美しさは驚嘆すべきものでした。何度も、椅子に座って、天井を眺めてしまいました。

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 また、ラファエロの間もすばらしく、その豊かな色彩と表現力に、新鮮な感動を覚えるものでした。

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 そして、私が死ぬまでに一度は見てみたい思っていたシスティーナ礼拝堂のミケランジェロ作「最後の審判」をようやく見ることができました。礼拝堂に入った瞬間にぱっと目に前に現れるものだと思っていましたが、その右下脇から建物内部に入るようになっており、右上を振り返って初めて見えるもので、少し虚を突かれた感じでした。天才ミケランジェロの代表作であり、その荘厳さと迫力に、口をぽかんと開けてしまうような感じでした。本当に素晴らしかったです。ただ、日本のテレビ局がお金を出して修復したために写真撮影が禁止されているとの説明があり、残念ながら写真は載せられませんが、絵画の保存のためならともかく、それが本当のメセナ活動と言えるのだろうかと、その見識に低さに少しがっかりしました。


 ローマ法務官裁判所に行ってきました。東京や大阪の裁判所と比べて、建物はそれほど大きくありませんが、裁判官室の前では、弁護士と依頼者が身振り手振りを交えて打ち合わせをするなどしており、とても活気がある様子でした。その打ち合わせをしている姿を見て、誰が依頼者で、誰が弁護士であるか手にとるようにわかるようでした。また、裁判官室は、扉を開けっ放しにして、それぞれの案件の検討を行っていることも印象的でした。法廷も、ほとんど段差のないところに裁判官の座席(法壇)が作られており、権威主義的ではなく、話し合いをベースとした事件解決を図ろうとしている姿勢が感じられました。

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 夜は、ローマ市内を展望できる山の上にあるヒルトンホテルのラ・ペルゴーラ(ミシュランの☆☆)にて会食致しました。雰囲気は、007映画を彷彿とさせるようなヨーロッパの社交場のようであり、最初に、食前酒として当然のようにドンペリをサーブしようとすることなどにもびっくりしましたが、ウォーター・メニューというものがあり、何種類もの水が記載されていましたが、最も高い水が、日本の六甲の水(Fillico)で、なんと200ユーロ(約2万3千円)と書いてあり、本当にびっくりしました。輸送費がかかるとは言え、どこにそのような高い価値を見い出しているか、少し聞いてみたい気もしました。下記の写真は、その説明書きです。

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 もちろん、お店の雰囲気、料理(デザートは、24種類サーブされました)、サービス、値段?も最高でした。

2011年02月20日

ローマ出張

○月○日 ローマ

 「法による支配」というものを世界史上初めて作り上げたローマを訪れました。法律を学ぶ者にとって、ローマ法という言葉やその内容を知らない者はいないと言えるくらい重要な法分野です。
 まずは、観光で古代劇場跡であるコロッセオに行ってきました。絵葉書などの外観写真では、少し薄っぺらな印象を持っていたのですが、建物内部もかなりの部分が残っており、その立体的な構造が今でも当時の面影を残っていることにびっくりしました。映画「グラディエーター」では、地下から虎が登場する仕掛けのシーンがあるのですが、実際にも、地下舞台装置を作るに十分な深さの空間が存在していました。
 観客席の正面奥左側の白い座席には、政府要人や裁判官の特別席があったのですが、当時の裁判官は、目の前で人殺しが行われる出し物を見て、果たしてどういう感じ方をしていたのか、沸々と疑問が沸いてきました。奴隷は人間ではないから、殺し合いさせても構わないと頭の中だけの冷めた理屈で考えていたのか、少しは人や動物が目の前で殺される姿を見て可哀想だと思ったのか、時代とともに価値観が変わるとは言え、人としての自然な情は果たして存在したのかと、疑念を抱かざるを得ませんでした。過去の残虐な歴史を経て、近代市民革命を達成し、人としての自由と独立、基本的人権を確立した法思想は、永遠に守っていかなければならないと強く感じました。

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 その後サンピエトロ教会に行ってきました。世界一の大きさを誇る大聖堂は、信者でなくても、ここ(バチカン)に来られたことを感激するような美しさと荘厳さがありました。精神世界の中心とも言える場所であり、物理的にも、精神的にも、国境のない場所であり、バチカン市国の成立の歴史を知るにつけ、素晴らしい聖地であると感じました。人権や平和を守るために、法が極めて重要な制度であることは言うまでもありませんが、まずは世界中の人々の平和を願う心というものが最も大切ではないかとあらためて感じました。

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 その後、予定通り、イタリアの最高裁判所を訪問しました。あいにく内部の写真は撮ることができませんでしたが、最高裁の建物もとても立派で、テヴェレ川に架かる橋の正面に位置しており、威厳と風格を感じさせるものでした。数々の大理石の彫刻が並べられているのも、まさにローマといった感じでした。
 それに対して日本の最高裁の建物は、なぜあんなに無機質で、人を寄せ付けない雰囲気の要塞みたいな建物にしたのだろうと、ふと疑問に感じました。

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2011年02月11日

岐阜での講演

 昨日、岐阜市で「知的財産権セミナー」の講演を行ってきました。著作権法や契約法を中心とした内容ですが、できるだけ実務的なケースや製作現場での疑問などを紹介することを心掛けましたが、如何だったでしょうか。
 その講演の前、地元の会社経営者の方々と昼食をとりながら、色々なお話をさせていたただきましたが、新しいイシューを見つけることができ、大変有意義な意見交換となりました。今後は、独占禁止法などの経済法の分野も盛り込んだ内容にしたいと考えています。

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 その夜、名古屋にて、講演開催にご尽力をいただいた担当者の方と以前仕事でご縁のあったテレビ局の方を交えての食事会がありました。海の幸が豊富なお店にご案内いただき、大阪の有名なラーメン店である「神座」のスープと似たような野菜の甘みたっぷりのスープを使ったもつ鍋も大変美味しいものでした。
 とても楽しい会合で、あっと言う間に時間が過ぎていましたが、天気予報で翌日の天気が崩れるとのことでしたので、後ろ髪を引かれる思いで、最終の新幹線で帰阪致しました。

 今朝起きると、庭が真っ白な雪で被われており、名古屋に宿泊していれば、午前10時の仕事に間に合わなかったかも知れないと思い、ほっと致しました。

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心が洗われるような大変美しい雪景色でした。

2011年02月09日

六本木 『龍吟』

 昨夜、六本木の日本料理『龍吟』に行ってきました。
 以前NHKの番組で兄弟弟子対決として紹介されていたお店で、液体窒素を使ったり、大鰻をさばくため人間の手術用メスを使ったりするなど、シェフ山本の斬新な発想と手法、料理(味)へのこだわり・情熱に強烈な印象を持っていたお店で、前から一度は行ってみたいと思っておりましたが、その機会に恵まれました。

 如月の献立は、次の通りでした。

・小さな前菜 聖護院蕪の真蒸
 100%蕪の水分だけを使った
 ”蕪澄まし”を熱々仕立てで

・シェフ山本 スペシャリテ
 北海道産”極上あん肝”の”ヌタ和え”

・湯葉玉豆腐と”サエズリ””煮鮑”の椀
 柚子辛子の香りを添えて

・お造り 小皿で二種
 鳴門の”鯛”昆布〆
 ”貝尽くし”の”コノワタ”和え 

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・シェフ山本スペシャリテ ”春菜尽くし”
 日本の春野菜を様々な仕立てで一皿に・・・

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・銚子産”赤ムツ”の炭火焼
 煎り米をまとわせた香煎仕立て
 ”うに醤油”と共に

・北海道 根室産 蝦夷鹿
 藁で炙った土佐造り仕立て
 生姜醤油を絡めて

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・”すっぽん”の”玉子とじ丼”
 半熟玉子とお餅のトロトロ仕立て

その後追加で、鯛のご飯、桜エビのご飯、お蕎麦を3人でシェアしました。

・龍吟スペシャリテ
 -196℃の”りんごあめ”と
 +99℃の”アメ炊きりんご”

・熱々仕立ての龍吟パフェ
 第十一作 ”柚子”

・薄茶

・お土産(ちりめんじゃこ山椒煮)

・・・生まれてから、こんな感激した日本料理は、初めてでした。

 料理、空間(インテリア、照明)、器、美術品、ワインのセレクト、サービス、ホスピタリティどれをとっても超一流で、一切の妥協を許さない素晴らしいお店でした。
 ご一緒させていただいた方も、美食通の方々でしたが、3人ともサーブされる料理毎に何度も唸ってしまいました。

 すべてが強烈な印象に残る料理でしたが、温度差300度の”りんごあめ”を模したデザートは、まるで理科の実験かと思えるようなぱっと弾ける驚きと感動がありました。

 2、3日、その感動の余韻が残りそうな、そんな夢見心地です。


『龍吟』
東京都港区六本木7-17-24 サイド六本木ビル1F
TEL:03-3423-8006
http://www.nihonryori-ryugin.com/jp/about/index.html

2011年02月05日

祇園「一力」さん

 京都祇園・花見小路の「一力亭」にお邪魔させていただきました。言わずと知れた一見さんお断りの日本で最も由緒のあるお茶屋さんで、大石内蔵助が豪遊したという逸話や仮名手本忠臣蔵七段目などで広く知られています。
 今回特別に、地球の神秘オーロラをイメージし、新たに創作された曲が笛と鼓で奏でられ、「今はいったい何時代だろう」と錯覚するようなゆったりとした心持ちとなり、幽玄の世界に誘われました。また、奥の院に大切に蔵置された四十七士(赤穂浪士)の仏様も見せていただき、その繊細で優美な一刀彫りの美しさにも驚嘆致しました。


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 その後、舞妓さんの履物が「ぽっくり」「こっぽり」と心地よく石畳を打つ音を聞きながら、宮川町まで足を伸ばしました。そして、しらばくして、毎年恒例の節分祭「おばけ」が始まり、5組の演目を見せていただきました。舞妓さん達が仮装をして、邪気を払うというものですが、今年は、日本全国に善意の輪が広がった赤いランドセル(伊達直人)ネタや、ドリフのコントなども取り混ぜてあり、新鮮で、とても楽しいものでした。単に仮装するだけではなく、きっちりとした踊りや物語の基本を踏まえ、台詞を覚え、呼吸を合わせる練習をしているなど、その堂々たる立ち姿やプロ意識の高さにも感心致しました。
 来年も、是非、お邪魔したいと思います。

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2011年02月04日

病院における顧客(患者)対応

 昨日、母親が手術のため入院することになり、市内の病院に行ってきました。当初、手術の説明が午後1時半からと言われていたのに午後4時半まで待たされたり、医者による手術の説明を受けるまでは入院手続きはできませんと各階を往復させられたり、当初、2人部屋と説明していたのに、「2人部屋なんかは、ありません。」と冷たく言われたり等と、その数々のいい加減な心ない対応に驚くばかりでした。母は高齢で、手術前の緊張状態にあったわけですが、病院に指揮系統がなく、迷走しているような対応で、おそらく母の内心では不安が募っていたことでしょう。こんな場当たり的な対応で治療(手術)だけは本当にちゃんとできるのかと大いに不安になりました。
 一般企業や法律事務所でこのような対応をしていると、おそらく顧客からの信頼を失い、存続自体が危ぶまれていくことでしょう。病院経営におけるしっかりとしたポリシー、一般的な日常オペレーション、そして徹底した従業員教育などが不可欠であると痛感した次第です。

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2011年02月02日

遊園地の安全装置

 昨年暮れ、南紀白浜の遊園地で、甥っ子とジェットコースターに乗ってきました。ゲーム(PSP)に興じていた甥っ子達は、「ええっ〜、動物園?」と当初あまり乗り気でなかったようですが、ジェットコースターを見た瞬間から目の色が変わり、冷たい雨が降り続く中、2回も乗る羽目となりました。雨が降っても大丈夫なのかなという不安な思いの中、久しぶりにスリリングで楽しい体験をしました。
 ところで、数日前、楽しいはずの遊園地で、小型コースターから男性客が転落死するという痛ましい事故が起こりました。その男性客や遺族の方の無念さ、アルバイト係員の悲痛な思いを察するにあまりありますが、施設管理者、運営責任者、経営者、大人たちがしっかりとした考えをもって、管理や指導、教育をしていかなくてはならないという思いを強くしました。
 物理的な安全バーだけではなく、人の組織における安全装置も不可欠です。

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