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2011年02月23日

花の都フィレンツェ

○月○日 フィレンツェ

 花の都フィレンツェに来た。まるで街全体が美術館のようと言われるように、アルノ川、建物、道路、橋、見るものすべてが温かい淡い色彩と美しい造形に包まれており、心地のよいことこの上ない街です。最初に、ポンテ・ベッキオ(大きな橋)を右手に見ながら、ウッフィツィ美術館に行きました。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「春」などは美術の教科書にもでてくる有名な作品ですが、ゴシック絵画からルネッサンス絵画への自由な画風への変化が感じられ、また、それぞれの人物が浮き立つように描かれ、物語のようであり、とても興味深いものでした。また、ミケランジェロがキリストとマリア様、その父を描いた作品もありました。その丸い絵画の周りには、グロテスク画も描かれており奇妙な感じもしました。ミケランジェロは、その作品代金を支払ってもらえず、やむを得ず裁判を起こしたという逸話も面白いものでした。芸術に生きたミケランジェロと言えども、世俗的な問題に悩まされていたというわけです。

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 その後は、世界で4番目に大きい教会とも言われるドゥオーモ(Santa Maria del Fiore)に行きました。この白、ピンク、グリーンの大理石によって幾何学模様が彫り込まれた大聖堂は、驚嘆に値します。建物を見て、こんなに感激したのは、生まれて初めてかも知れません。素晴らしい美しさでした。教会の中は比較的地味な感じでしたが、「最後の審判」のフレスコ画も見ていると首が痛くなるほど、興味深く見入ってしまうものでした。その正義と悪を裁くキリストの姿を見ていると、どの時代でも罪を犯す人間がいて、死後地獄に行くといくら諭しても更正できない人がいる、そういう人間社会における苦悩が感じられるようでした。

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 午後は、フィレンツェの裁判所に行きました。ゆったりとした華やかな街の中で、少し凛とした雰囲気の感じられる場所でした。

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