« この本読みました | メイン | 趣味のこと »

2011年09月07日

現代風フランス料理 ハジメ

 妻の誕生日祝いに、HAJIME RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON (ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)に行ってきました。

 ハジメは、予約をとることが大変難しい大阪の革新的フレンチの名店です。言葉でその美味しさ、感動を伝えるのが難しいため、今回は写真中心にご紹介させていただきます(ただ、店内でストロボを使わなかったため、画像の明るさが足りない点はご容赦下さい)。

 Le Menu nature et dialogue 2011 "自然と対話”

 まずは、前菜とパンです。

110907hajime01.jpg

 そして、お楽しみ(アミューズメント)です。

110907hajime02.jpg

 かぼちゃとトリュフのスープです。このスープを一口食べた瞬間に、パリのギ・サボア(GUY SAVOY)で食べた生涯最高のスープを思い出すぐらいの美味しさでした。

110907hajime03.jpg

 大地と海からのミネラルを合わせた野菜の一皿には、105種類の野菜が盛り合わせられており、複数のドレッシングがクロスオーバーされながら、計算され尽くされたかのような調和を保っており、沢山の野菜を全く飽きることなく食べることができました。これまで食べたサラダの中で、最も美味しい野菜皿でした。

110907hajime04.jpg

 魚料理は、大分県姫島からのスズキでした。素材の旨みを最高に引き出す料理法で、しっとりとした身の舌触りと外側の皮の焼き加減も完璧で、とても美味でした。

110907hajime05.jpg

 次は、フォアグラのタルティーヌ風です。イチジクのコンフィ、黒コショウ、煮詰めたヴィネグレット、エストラゴン、ディルなどをサンドしており、味、香り、デザインとも完璧です。

110907hajime06.jpg

 そして、お肉料理は、熊本県産の牛肉のラムシンという部位を5種類以上の火の入れ方を使った料理でした。外側の絶妙な焼き加減とともに、赤身の熟成した美味しさを感じることができました。

110907hajime07.jpg

 食後は、チーズをいただき、

110907hajime08.jpg

 デザートもいただきました。
 特に、「奏でるグレープフルーツ」は、本当に口の中で「奏でる」感じがあり、その発想や遊び心に驚嘆致しました。

110907hajime09.jpg

 妻の誕生日ということで、特別な飴細工のデザートと綺麗な薔薇もいただき、写真も撮ってもらいました。

 すべての料理とサービスと、いずれにおいても全く妥協を許さないところにプロの心意気を感じ、優雅な時間を満喫するとともに、とても勉強にもなりました。
 私が知る限りでは、大阪でNo.1のフレンチだと思います。

2011年03月03日

大自然の恵み

 数日前、むかし一緒に机を並べて勉強していた女性から、大自然の中で育てられたとれたての野菜たちを送ってもらいました。
 段ボールの中に入っていたお手紙には、「私たちが暮らす宮崎県綾町は、国内最大の照葉樹の原生林を抱える自然豊かな里山です。川上農園は農薬や化学肥料を使わず、自然を汚さない農業を貫くことで、この里山の自然を育んでいこうと思っています。次の世代に胸を張って渡せる自然環境を守り育てていきたいのです」と書いてあり、とても清々しい気持ちになりました。

%CC%EE%BA%DA%A3%B1.jpg

 濃い緑色の凹凸のある葉の野菜は、「かつお葉」だそうです。

 妻の感想は、「一つ一つから匂い立つような大地の力強さ、それらを大切に息づかせるご夫妻のお人柄が、伝わって来ました。生きる勇気を分けて頂きました」というもので、早速何品もの手料理を作ってくれました。口に入れていくのが楽しくなり、野菜本来の旨みや奥深さが感じられ(うまく表現できないのが残念です)、ほんと勇気と元気が出てくるようでした。生まれて初めて、「野菜の力強さ」をしっかりと認識体験できたような気がしました。

 そして、食べている時の妙な感想なのですが、「ああ、古き良き時代(昭和?)を感じるなあ」とも思いました。今はすべてが静かでおとなしく、もの足りなさを感じる時代ですが、昔、家では、テレビのチャンネルをガチャガチャ回し、洗濯機がゴトゴトガタガタ音を立て、トースターからは食パンが勢いよく飛び出し、野菜には本来の味があり、そのままボリボリ、バリバリ囓っていたそういう躍動感のある時代でした。今忘れられているのは、そういう躍動感かも知れず、その躍動感を大自然の恵みから頂いたような気がしました。

 日本は、世界に誇れる豊かな自然に恵まれた国であり、それを大切に守っていかなければなりません。地球環境の点からは当然でしょうし、日本の経済政策としても観光立国を目指さざるを得ないでしょう。また、宗教的にも自然との関わりには古来深いものがあり、そして、何よりも、大自然の中にいると、無駄なわだかまりがとれ、心が洗われる清々しい気持ちになります。
 もう一度、地方の里山などを出発点とし、その自然の中でしっかりと日本のあるべき姿を考えていくべきでしょう。

%CC%EE%BA%DA%A3%B2.jpg

川上農園
宮崎県綾町内の10カ所計約1.5ヘクタールの田畑で、ズッキーニ、キュウリ、カボチャ、ナス、オクラ、ジャガイモ、サツマイモ、里芋、ニンジン、ニンニク、キャベツ、タマネギ、ホウレンソウ、インゲンマメなど多品目野菜と米・麦を無農薬・無化学肥料で栽培する。メンバーは代表の川上健、妻ゆり子、中学2年の長女、4歳の長男、3歳の次男、番犬そーすけ。
 連絡先 電子メール kawakami100show@ybb.ne.jp
  電話/ファックス 0985-77-3533

2011年02月09日

六本木 『龍吟』

 昨夜、六本木の日本料理『龍吟』に行ってきました。
 以前NHKの番組で兄弟弟子対決として紹介されていたお店で、液体窒素を使ったり、大鰻をさばくため人間の手術用メスを使ったりするなど、シェフ山本の斬新な発想と手法、料理(味)へのこだわり・情熱に強烈な印象を持っていたお店で、前から一度は行ってみたいと思っておりましたが、その機会に恵まれました。

 如月の献立は、次の通りでした。

・小さな前菜 聖護院蕪の真蒸
 100%蕪の水分だけを使った
 ”蕪澄まし”を熱々仕立てで

・シェフ山本 スペシャリテ
 北海道産”極上あん肝”の”ヌタ和え”

・湯葉玉豆腐と”サエズリ””煮鮑”の椀
 柚子辛子の香りを添えて

・お造り 小皿で二種
 鳴門の”鯛”昆布〆
 ”貝尽くし”の”コノワタ”和え 

%CE%B6%B6%E3%A1%BC%BB%C9%BF%C8.jpg

・シェフ山本スペシャリテ ”春菜尽くし”
 日本の春野菜を様々な仕立てで一皿に・・・

%CE%B6%B6%E3%A1%BC%CC%EE%BA%DA.jpg

・銚子産”赤ムツ”の炭火焼
 煎り米をまとわせた香煎仕立て
 ”うに醤油”と共に

・北海道 根室産 蝦夷鹿
 藁で炙った土佐造り仕立て
 生姜醤油を絡めて

%CE%B6%B6%E3%A1%BC%BC%AF.jpg

・”すっぽん”の”玉子とじ丼”
 半熟玉子とお餅のトロトロ仕立て

その後追加で、鯛のご飯、桜エビのご飯、お蕎麦を3人でシェアしました。

・龍吟スペシャリテ
 -196℃の”りんごあめ”と
 +99℃の”アメ炊きりんご”

・熱々仕立ての龍吟パフェ
 第十一作 ”柚子”

・薄茶

・お土産(ちりめんじゃこ山椒煮)

・・・生まれてから、こんな感激した日本料理は、初めてでした。

 料理、空間(インテリア、照明)、器、美術品、ワインのセレクト、サービス、ホスピタリティどれをとっても超一流で、一切の妥協を許さない素晴らしいお店でした。
 ご一緒させていただいた方も、美食通の方々でしたが、3人ともサーブされる料理毎に何度も唸ってしまいました。

 すべてが強烈な印象に残る料理でしたが、温度差300度の”りんごあめ”を模したデザートは、まるで理科の実験かと思えるようなぱっと弾ける驚きと感動がありました。

 2、3日、その感動の余韻が残りそうな、そんな夢見心地です。


『龍吟』
東京都港区六本木7-17-24 サイド六本木ビル1F
TEL:03-3423-8006
http://www.nihonryori-ryugin.com/jp/about/index.html