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2012年01月30日

「一力亭」でのお祝いの会

 今年も、京都・祇園「一力亭」にお邪魔させていただきました。大石内蔵助が豪遊したという逸話や仮名手本忠臣蔵七段目などで全国的に知られている最も由緒あるお茶屋さんです。

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 一力の花見小路角に立つ建物の赤い外壁は有名ですが、建物の内部も赤い壁で仕切られています。この壁に少しでも触れると着物に色が付いてしまいますので注意が必要ですが、建物自体が重要文化財ですので、そろりそろりと歩くことになります。

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 今回も、お祝いの席ということで、二世藤舎名生先生による「双龍」という新曲を披露していただきました。この曲は、天の龍と水の龍との戦いをイメージして作られ、二龍の間に少年が香をたき、争いを止めに入る風景を〆太鼓・笛二管にて表現したそうです。突然空間を劈くような高い笛の音は暴れ回る龍の躍動感を感じさせ、勢いのよい太鼓の音は龍を諫める少年の心意気のように感じられました。
 演奏後、芸子さんに楽譜を見せていただきましたが、フェルマーターやクレッシェンドなどの音楽記号があり、数字あり、英語あり、カタカナあり、漢字ひらがなの文章による説明ありといった和洋折衷で、とても興味深いものでした。

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 宴会では、今年も、たくさんの舞妓さん、芸子さんがいらっしゃいました。写真はその一部の方々ですが、着物姿は端正で美しく、たくさんの方々が一同に会した姿は、艶やかで、壮観な印象さえ受けました。また、これまでも何度か祇園小唄の舞を見せていただきましたが、だんだんと四季の表現もわかるようになり、特に夏の鴨川での水遊びの舞は、まるで光景が目に浮かぶようであり、思わず幽玄の世界に惹き込まれて行きました。

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 また、芸子さん、舞妓さんとの会話も楽しく、中には耳鼻咽喉科フェチの方がいらっしゃったり、ヒートテックを愛用している方がいらっしゃったり(着物の下にヒートテック?)と、話題も豊富で、ついついお酒も進みます。

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 私は、日頃あまり日本酒は飲まないのですが、こんな風にお酌をしていただけると何杯でも飲めてしまいます。美味しい料理に美味しいお酒、そして、綺麗な着物姿に、邦楽に、舞にと、日本文化の素晴らしさを改めて感じたような気がしました。