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2011年12月05日

サイプレス訪問記

 ゴルファー垂涎の的である兵庫県丹波市のザ・サイプレスゴルフクラブに行ってきました。
 大阪からは中国自動車道を走り、吉川JCTから舞鶴若狭自動車道に、そして、春日ICから北近畿豊岡自動車道に入って氷上ICで降り、その後しばらく走るため、結構遠く感じましたが、渋滞にかからず、△△先生と談笑するうちに、約1時間半で到着しました。

 とある知人より、森の妖精がいるような雰囲気のゴルフ場と聞いていたのですが、まさにそのような静かな森の中にいる感じで、都会の喧噪とは全く無縁の世界が広がっていました。玄関付近やクラブハウスは、廣野ゴルフ倶楽部が明治・大正の古き良き日本を感じさせるのと対照的に、英国やカナダの古き良き時代を感じさせるような落ち着きのある佇まいでした。
 この何か始まるような予感は、かつてロペ倶楽部(栃木)の正門の松明が煌めくのを見たとき感じたのと同じような高揚感でした。

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 対面着座スタイルでのチェックインを終えた後、着替えて、クラブハウスを出ますと、正面にまばらな人影のゴルフ練習場が見えます。遠目で見た私は、嗚呼、芝生の状態が悪いなあというがっかりした第1印象を持ったのですが、、、

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 なんと、天然芝の上から直接打つことができる練習場だったのです。それが原因で、ターフがとれた部分が枯れているように見えていただけでした。このような天然芝の練習場は、見たり、話には聞いたことがあったのですが、実際にそこを利用するのは人生初経験でした。

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 フェアウェイと違って、特定の場所で何度もボールを打つことから、その1カ所の芝は相当傷みますので、毎日の大変な手入れが必要になるはずです。早速、天然芝の上からの練習を始めましたが、ダフッて芝を痛めてしまう罪悪感を感じつつも、プロゴルファーになったかのような優越感も味わうことができました。

 さて、いよいそOUT1番からのスタートです。奈良国際ゴルフ倶楽部のようにすべて歩きですので、カートに乗ることもなく、散歩をするように、本来のゴルフを楽しむことができます。私の最も好きなプレイ・スタイルです。
 また、キャディさんに聞くと、なんとこのコースでは、OBが無いというのです!これも、人生初経験で、持論として、「ゴルフにも、野球と同じようにファールがあれば、スコアがもっと良くなるのに」と思っている私には、ほんと夢のようなお話です。ショートホール以外、すべてのティーショットをドライバーでフルスイングしようと心に決めました。

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 ミドルホール、ロングホールでは、ヨーロッパの田園地帯で天を指すようにまっすぐに伸びている、あるいは西洋絵画によく描かれている背の高い糸杉(サイプレス、西洋檜)で綺麗にセパレートされた林間を思い切って打ち抜いていくことになります。

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 一見狭いように見えるのですが、白い、あの忌々しいOB杭は一切見当たらず、100ヤード、150ヤードなどを示す人工的なヤード杭なども一切ありません。当然、いつも情けない気分で登らされている特設ティーなどもありません。自然のあるがままの姿を楽しむ、そういうゴルフ本来の醍醐味を味わえるゴルフ場なのです。
 次の写真は、あるホールの150ヤード付近ですが、やはり無粋なヤード杭など一切ありません。ちょうど、○○先生に、「ほら、この林の剪定、手入れの素晴らしさを見てみ」とのご指導を受けているところです。

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 ショートホールでは、どちらがグリーンなんだろうと思うぐらい、ティーグランドのベント芝の手入れも行き届いています。このティーグランドの素晴らしさは、北海道クラシックGCを彷彿とさせます。

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 見る風景すべてが美しく、心が洗われるような感じで、「OBゾーンは、どこ?、グリーンエッジまで何ヤード?、バンカーを超えるのに何ヤード?、ピンまでどれくらい?、スコアはいくつ?」などと、普段自分が如何に、自然な感覚を押し殺し、人工物や数字などに振り回されていたのかと反省させられました。大自然に魅せられた私は、ゴルフをしに来たというよりは、秋のハイキングあるいは風景写真の撮影に来たという感じだったのですが、お陰で、数多く、林の中に打ち込む羽目となりました。

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 ただ、「キン・コン・カーン」といくら林の奥の方へ大きく打ち込んでも、ボールがすぐに見つかるのが、とても不思議でした。宮崎のフェニックスCCにて、フェアウェイ両側の松林に打ち込んで、ベアグランドから打つ時には大変な苦労をしましたが、ここサイプレスでは、心地よい森林浴を味わうことができました(笑)。森の妖精たちが助けてくれているのかも知れません。

 そして、糸杉やメタセコイアの林だけでなく、池やクリーク(小川)があり、またハクセキレイの尾羽を上下に振る綺麗な飛行姿を見ながら、大きな木々に包まれた自然を大いに満喫致しました。OBが無いということで、思い切って普段使わない高級なニューボールを使っていたのですが、なぜかボールが3つ大自然に召されてしまいました(笑)。
 ちなみに、この池の写真も、絵画に造形の深い○○先生の作品です!太平洋クラブ御殿場コースのいわゆる逆さ富士の写真には負けるかも知れませんが、ちゃんと雁行まで写っています!

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 フラットなコースを歩いているためかほとんど疲れもなく、「えっ、もう最終ホール(18番)なの?」と思えるぐらい、あっと言う間のラウンドでした。この18番ホールでも、人工的な建物が見えてきて最終ホールとわかる風景ではなく、18番の最後の最後まで森に包まれた自然の中でゴルフを十分に堪能して下さいと言われているようなメッセージを感じました。

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 予約組数も、ロッカールームも、レストランも、お風呂も、絶対に大人数を詰め込まず、少数の方だけへ行き届いたホスピタリティを発揮するというポリシーが暗黙裏に示されているようであり、上質なサービスの神髄を見るような感じがしました。

 川奈ホテルゴルフコースが「海の雄」で、霞ヶ関CCが「陸の雄」だとすると、ザ・サイプレスは、まさに「森の雄」とも言えるゴルフコースで、私がこれまで行ったゴルフ場の中で、満足度では、間違いなく5本指に入るぐらい素晴らしいコースでした。大人の休暇として、あとからじわじわ沸いてくるような充実感、満足感は、日本1なのかも知れません。

 メンバーの□□先生、このたびは、お誘いいただきまして有り難うございました。また、来年宜しくお願い致します。