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2011年03月31日

中小企業の「私的整理」の現状とあり方

 昨日の午後6時から9時まで、大阪弁護士会にて、「中小企業の『私的整理』の現状とあり方」というシンポジウムが開催されました。平日の夜にもかかわらず、400名強の参加者があったようです。

 実務家の弁護士、裁判官、税理士・公認会計士、中小企業再生支援協議会の方々による活発な意見交換などがなされ、とても有益でした。特に、全体的な構成として総論と各論に分けられており、さらにテーマに沿った論点整理がしっかりとなされており、進行も十分に時間をかけて練られたスケジュールのもとに進められている精緻なものでした。

 デューデリ、リスケ、プロラタ返済、コベナンツ、DES、DDSなど金融の専門用語が多かったため、若手の先生方には少し難しかったのではないかと思いましたが、それでも基本的なスキームについて丁寧な説明がなされており、また、配付資料を手元に置いておくだけでも将来役に立つのではないかと思いました。商取引債権者の保護ないし取扱いにつきましては、今後も検討していくべき課題であると思われます。

 最後には、弁護士に対して、金融機関に対して常に敵対的に接するのではなく、地道に相互の信頼関係を築くことが大切であること、また、全債権者の同意を得るため、現場でビジネスの内容についても十分に理解しておくことが大切であることなどの若干耳の痛い注文?もありましたが、まさに正鵠を射ている話であると感じました。

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 このような有益な研修は、今後も、どんどんとやって欲しいと思います。本には書いていない現場のお話が実務を行う上では、もっとも重要で、貴重なのです。