2021-03

2021年03月10日

取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案

 取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案が令和3年3月5日閣議決定され、衆議院に提出された。

 情報通信技術の進展に伴い、オンラインモールなどの「取引デジタルプラットフォーム(取引DPF)」が国民の消費生活にとって重要な基盤となっていることに鑑み、取引デジタルプラットフォームを利用して行われる通信販売に係る取引の適正化及び紛争の解決の促進に関し、取引デジタルプラットフォーム提供者の協力を確保するため、取引デジタルプラットフォーム提供者による消費者の利益の保護に資する自主的な取組の促進、内閣総理大臣による取引デジタルプラットフォームの利用の停止等に係る要請及び消費者による販売業者等情報の開示の請求に係る措置並びに官民協議会の設置について定める必要があるとするものである。
 これまで違法な商品や危険商品等の流通や販売業者が特定できず紛争解決が困難となる等の問題が発生していたため、消費者利益の保護を図るためのものである。

(1)取引DPF提供者の努力義務(第3条)
(2)商品等の出品の停止(第4条)
(3)販売業者に係る情報の開示請求権(第5条)
(4)官民協議会(第6条~第9条)・申出制度(第10条)

https://www.caa.go.jp/law/bills/assets/consumer_system_cms101_210305_01.pdf

 取引DPF提供者の義務が努力義務に留まっていることから必ずしも十分な法規制がなされるとは言えないが、個別事案において、取引DPF提供者が違法な出品を現認しながら放置していた場合などについては、その法的責任を追及することは可能であろう。

Category: Author: 近藤 剛史
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