2020年7月7日

離婚の際に考慮すべき3つのポイント

 こんにちは、弁護士の前田です。

 この度、事務所内ブログにおいて、執筆を始めさせていただくことになりました。ご覧くださる皆様にとって、少しでも有益な情報を発信できればよいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今回は、離婚の際に考慮すべき3つのポイントをお伝えいたします。

 離婚の際には様々な事柄が問題となりますが、主なものとして、①親権や面会交流等、未成年の子どもに関すること②養育費、婚姻費用に関すること③財産分与、慰謝料に関することの3つが挙げられます。

 

1.親権や面会交流等、未成年の子どもに関することについて

 親権については、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならないと法律で規定されています(民法819条1項)。

 そして、夫婦間で、どちらを親権者とするかについて争いがあり、協議により親権者を定めることができない場合には、調停などの場で定めることになります。

 また、未成年の子どもに関して、面会交流についても度々問題となります。

 面会交流とは、離婚後又は別居中に、子どもを養育監護していない方の親が、子どもと面会等を行うことをいいます。

 面会交流には、監護親の協力が必要となるため、夫婦間の協議により自主的に実現することが望ましいのですが、自主的に実現しない場合には、家庭裁判所に対し、面会交流に関する家事調停や家事審判を申し立てることができます。

 

2.養育費、婚姻費用について

 養育費については、「子の監護に要する費用」として民法766条1項が夫婦の分担を定め、婚姻費用については、「婚姻から生ずる費用」として民法760条が父母の分担を定めています。

 そして、養育費及び婚姻費用は、いずれも「生活保持義務」、すなわち、自分の生活を保持するのと同程度の生活を被扶養者にも保持させる義務だと解されています。

 これらの金額について、夫婦間で合意ができない場合には、調停を申し立てるなどの方法をとることになります。

 養育費や婚姻費用を算定する際に基準となるのが、家庭裁判所の手続の中で使われている簡易算定表です。子どもの数、年齢構成ごとにまとめられた表を選択して、養育費を支払う義務のある親と、支払を受ける親の年収を当てはめることにより、相当な養育費や婚姻費用の額がわかるようになっています。

 算定表は、令和元年12月23日に更新版が公表され、現在はこちらの表(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html)が使用されています。

 

3.財産分与、慰謝料について

 離婚に伴う財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を離婚に際して分与することをいいます(民法768条、771条)。

 財産分与は、夫婦財産の清算としての性格の他に、離婚後の扶養としての性格、精神的苦痛に対する慰謝料としての性格を有しています。

 そして、離婚に伴う慰謝料とは、離婚によって精神的苦痛を被った者に対してなす金銭的賠償のことをいいます(民法710条)。

 先に述べたように、財産分与には慰謝料的性格もありますが、財産分与と慰謝料を別々に取り決めたり、請求することもできるとされています。

 財産分与及び慰謝料は、離婚時において重要な財産的取り決めであり、金額について当事者間で合意ができない場合には、調停を申し立てるなどの方法をとることになります。

 

 このように、離婚に際しては大きく分けて上記の3つが問題となり、それぞれについて考慮する必要があります。

 今後は、これらの問題について更に掘り下げてお伝えしていこうと思います。

 

 弊所では離婚や男女問題についてのご相談も受け付けておりますので、お悩みの方は、是非お気軽にご相談ください。

 

Category: Author: 前田彩
近藤総合法律事務所
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