2020年3月30日

新民法の施行 -契約不適合責任

 2020年4月1日より、新民法が施行されます。いくつもの重要な改正がなされておりますが、特に、売買契約において従来瑕疵担保責任と呼ばれていた制度が契約不適合責任と変更された点は、理論的ないし制度的にとても重要です。
 新法におきましては、特定物売買と不特定物売買とを区別せず、売主は一般的に種類、品質及び数量に関して売買契約の内容に適合した目的物を引き渡す債務(義務)を負うことを前提とし、引き渡しがなされた目的物において契約の内容に適合しない場合にはその債務は不履行であるとし(従来の契約責任説の立場)、損賠賠償請求においても、債務不履行における原則論がそのまま適用され、売主の帰責事由が必要ということになります(新法415条1項但書)。また、契約の解除を行う場合にも、原則として履行の追完の催告が必要とされることになりました(新法541条)
 今後、企業間において締結される取引基本契約書においても、新民法との整合性を考え、瑕疵担保責任という用語を用いず、契約不適合責任という用語を用いる必要がありますので、その点の注意が必要です。

Category: Author: 近藤 剛史
近藤総合法律事務所
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