2020年1月31日

最近のサイバー攻撃における「点と線」

 本日の日経新聞の報道によると、日本の防衛装備品やサイバー対策製品等も手掛けている大手電機メーカーのNECがサイバー攻撃を受け、社内ネットワークに不正侵入された恐れがあるという。同社は、取材に対し、「当社のネットワークに不正アクセスの試みが疑われる事例は日ごろからあるが、これまでに情報流出などの被害は確認していない」という回答をしているようであるが、サーバー攻撃においては、表面化していない水面下における諜報活動・情報収集活動に最も警戒すべきなのであり、未だ同社のウェブサイトにもそのニュースが掲載されておらず、ユーザーや市民に対する十分な説明責任が果たされていないのではないか、あるいは危機管理意識があまりにも低過ぎるのではないかという危惧感を覚える。
 今年は、東京オリンピックが開催される年であり、その開催国に対しサイバー攻撃が激増することはその歴史が示すところであり、ロシアのオリンピック不参加、北朝鮮情勢、イランへの経済制裁、日本における中国ファーウェイ製品の排除方針などの事象も踏まえると、それらのニュースをただ単に点で捉えるのではなく、線で結んで全体像として、現在起こりつつある社会事象につき、正しく捉えておくことが最も肝要であると言える。

Category: Author: 近藤 剛史
近藤総合法律事務所
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