2019-12

2019年12月31日

徳川家康 家訓

 最近、若い人たちを中心に、刹那的な感情に支配され、いわゆる「切れる」人が多いような気がしています。少子高齢化、日本経済の停滞、共同体意識の低下、社会的閉塞感、ネット専住民(引きこもり)、ゲーム依存、スマホ中毒、コンビニ依存等様々な原因が考えられるのかも知れませんが、家でゆっくり本を読んで、心静かに歴史や先人達の知恵を学ぶ必要があるかも知れません。

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。」
(東照公御遺訓)

Category: Author: 近藤 剛史

2019年12月30日

[読書]ロシアの地政学と「主権」観

 2019年1月、ロシアのラブロフ外相は、日露外相会談において、これまでの外交交渉の内容を全く無視し、「北方領土という呼称を用いることは受け入れられない」と述べたり、プーチン大統領は、日ソ共同宣言では島を「引き渡す」と述べているだけであって、引き渡しの北方領土が「どちらの主権になるかは明記されていない」などと発言したため、法的に通用しない、なんという詭弁を弄するのかと呆れておりました。しかし、「「帝国」ロシアの地政学」(小泉悠著 東京堂出版 2019年)を読んで、ロシアの国家観としての特殊な「主権」の考え方、つまり「法的な国境線をどこに引くかというよりも、ロシアの主権は国境を越えてどこまで及ぶのか(あるいは及ぶべきではないのか)なのであって、一般的な国境紛争とは位相が大きく異なる」(15頁)考え方があることがよくわかりました。確かに、以前、ウクライナ問題について、ウクライナ人やロシア人と話をした時の印象とも合致するものであり、より深く、歴史や地政学について勉強しなければならないと感じました。

Category: Author: 近藤 剛史

2019年12月29日

新任判事補は、82名のみ

 令和元年12月16日、最高裁にて1年間の司法修習を終えた新任判事補82名に対する辞令交付式が行わ、大谷直人長官は「裁判官は自分を客観視する必要がある」と指摘し、「裁くことへの畏(おそ)れ、危うさの感覚を持つことが大切だ」と強調しました。

 日本における現在の民事裁判は、とても非効率的かつ非合理的なもの(経済的に正直者が馬鹿を見る状況も多い)になってしまっていますが、その原因の一つが裁判官数の少なさ及び裁判所の人的・物的設備(法廷数)の少なさにあることから、この点のボトルネックを抜本的に改善する必要があります。また、刑事事件においては上述のような謙虚さや人知への懐疑心を常に持つべきですが、他方で、民事上の不正な行為(案件)に対しては、迅速かつ毅然とした態度にて、勇気をもって正義を貫く裁判官の姿勢もとても重要であると言えます。

Category: Author: 近藤 剛史

2019年12月28日

令和元年会社法改正(社外取締役の設置義務化)

 令和元年12月4日、参議院にて「会社法の一部を改正する法律案」等が可決され、成立しました。
[会社法の一部を改正する法律案要旨]
 本法律案は、会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため、(1)株主総会資料の電子提供制度の創設、(2)株主提案権の濫用的な行使を制限するための規定の整備、(3)取締役に対する報酬の付与や費用の補償等に関する規定の整備、(4)監査役会設置会社における社外取締役の設置の義務付け等の措置を講じようとするもの。
 上記(4)については、第327条の2の見出しを「(社外取締役の設置義務)」に改め、同条中「事業年度の末日において」を削り、「が社外取締役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければ」を「は、社外取締役を置かなければ」に改めるとしています。
<私見>
 今後、社外取締役に相応しい人物の見識、業績、専門分野、職歴はどういうものなのか、またその就任後の役割や貢献度はどうだったのか、効果度調査や実証的分析等が必要とされて来ることでしょう。

Category: Author: 近藤 剛史
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