2020年2月7日

「面」としての不正アクセス防御

 2020年2月6日、防衛省は、㈱神戸製鋼所と㈱パスコ(空間情報の収集と処理技術を提供している会社)が不正アクセスを受けていたことと、両社の保有する防衛情報が狙われた可能性があるが、流出した恐れがある情報の中に同省が指定した秘密などは含まれていなかったと公表した。
 先日新聞報道された三菱電機㈱と日本電気㈱(NEC)と合わせると、防衛関連企業の4社が狙われていたことになる。これらの不正アクセス事件は、まさに「点」ではなく、「線」あるいは「面」として捉えられるべきであり、防御する側においても、企業が単体で防御するのではなく、「面」としての防御態勢を直ちに整える必要がある。そのためには、上記4社以外の企業も加えた上で、不正アクセス攻撃に関する自主・自発的な情報開示を行っていくとともに、オリンピック・イヤーにあたるわが国における不正アクセス状況についての認識を共有した上で、どこかの一社が「踏み台」や「奴隷サーバー」に仕立て上げられることがないよう、日本企業全体として総合的な対策を連携して取っていくことが不可欠である。

Category: Author: 近藤 剛史
近藤総合法律事務所
タイトルとURLをコピーしました